2025年の米インフレ率予想を上方修正、関税を意識-エコノミスト調査

Vince Golle、Dana Morgan

  • コアPCE価格指数の予想は平均2.5%上昇、先月調査時は2.3%上昇
Photographer: Mike Mergen

エコノミストは、関税が引き上げられるとの懸念から来年の米インフレ予想を上方修正し、利下げ回数も1カ月前の予想より1回少なくなるとの見通しを示した。

  ブルームバーグが毎月実施しているエコノミスト調査によると、来年の個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネルギーを除くコアベースで、平均2.5%上昇と予想された。先月の調査では2.3%上昇だった。

  エコノミストは連邦公開市場委員会(FOMC)が18日の会合で、3会合連続の利下げに踏み切ると予想している。2025年については、3月、6月、9月の3回だけ0.25ポイントずつの利下げがあるとみている。25年末までに、フェデラルファンド(FF)金利は3.5-3.75%のレンジになると予想されている。

  INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「関税は大きな懸念材料だ」としながらも、代替品やドル高など、影響を緩和する要因もあると述べた。

  「とはいえ、米国の消費者は生活水準が圧迫されるように感じ、米国の輸出企業は報復措置によって打撃を受けるだろう。そのため、インフレ率の上昇と成長率の鈍化が予想される」と続けた。

  最近の企業調査では、規制緩和などトランプ次期大統領の政策を巡る楽観的な見方が急速に台頭していることが明らかになったが、関税引き上げや需要を喚起する減税など、他の要素がインフレを高止まりさせるリスクをはらんでいる。

  ブルームバーグがエコノミスト83人を対象に12月11-16日に実施した最新の調査では、1ー3月(第1四半期)の輸入の伸びも上方修正された。これは、関税引き上げに先立ち、一部の企業が仕入れに奔走する見通しであることを示す。また、来年早々には東海岸とメキシコ湾岸の港でストライキが発生する可能性もある。

  2025年の雇用見通しについては、平均12万1000人増と、前月の12万6000人増とおおむね同じだった。

  経済成長予測は小幅に引き上げられた。国内総生産(GDP)成長率は平均2.1%と、前月の2%から上方修正された。

原題:Economists Boost 2025 US Inflation Forecast on Tariff Concerns(抜粋)

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