貿易収支2月は2カ月ぶり黒字、輸出が同月で過去最高 自動車など好調

 3月19日、財務省が発表した2月貿易統計速報は、貿易収支が5845億円の黒字だった。都内の港湾施設で2017年7月撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 19日 ロイター] - 財務省が19日発表した2月の貿易統計速報によると、貿易収支が5845億円の黒字と、2カ月ぶりの黒字となった。輸出は米国やアジア向けの自動車などがけん引し、前年比11.4%増の9兆1911億円と、2月として過去最高を記録した。

黒字幅はロイターがまとめた市場予想(7228億円)より小幅だった。

輸出は米国、中国、アジア向けがそれぞれ2月として過去最高を記録。自動車に加え、アジア向けの半導体等製造装置や電子部品への需要が強かった。また、対米の貿易黒字が9188億円と、2月として過去最大となった。

農林中金総合研究所の理事研究員、南武志氏は「米国向け自動車輸出は堅調。自動車は前倒しで生産したりしないので、トランプ関税前の前倒し輸出ではなく、関税の影響はそれほど出ていない」と分析。トランプ米大統領は中国など貿易相手国との赤字を解消すべく、強硬な追加関税を打ち出しており、自動車関税も計画している。

中国向けの輸出は14.1%増の1兆5382億円と、3カ月ぶりにプラスとなった。対中輸出は春節(旧正月)時期に下振れする傾向にある(財務省担当者)ため、同時期が昨年の2月から今年は1月にずれた影響があったとみられる。

南氏は、中国当局による景気テコ入れで中国経済の減速ペースが下げ止まっていることも背景にあると指摘した。

2月の輸入は前年比0.7%減の8兆6066億円で、3カ月ぶりのマイナス。原粗油や石炭、非鉄金属鉱等、資源価格が落ち着いてきて、前年を下回った。

2月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=154.61円と、前年比4.3%の円安だった。

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