同じ銀河なのに? ハッブルとウェッブの画像が異なって見える理由【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
ハッブルとウェッブが撮影した銀河はどうしてこんなに異なるの?
今回は、soraeが2022年9月29日の記事内で紹介した「ハッブル宇宙望遠鏡とウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河『IC 5332』」の画像について振り返ってみましょう。
- Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST and PHANGS-HST Teams
- sorae - ハッブル&ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河「IC 5332」
この画像は、左側がハッブル宇宙望遠鏡、右側がウェッブ宇宙望遠鏡によって撮影されたものです。どちらも同じ天体を写していますが、その姿はまったく異なって見えます。
その仕組みは、ハッブルが主に「可視光線」を中心に撮影しているため、左側は「人の目で見た姿に近い」ものになります。一方、ウェッブは主に「人の目では捉えられない赤外線」の波長データを取得しているため、画像の右側は「赤外線データを波長に合わせて着色した疑似カラー」となっています。
このように、可視光線と赤外線で観測したデータから作成された画像は、同じ銀河でも見た目が大きく異なります。例えるならば、一般的なカメラで撮影した人物の写真(可視光線)と、レントゲン撮影した人物の写真(X線)を並べるようなもので、撮影(観測)に使う波長が変わるだけで、映し出される姿も大きく変わってくるのです。
編集/sorae編集部