「リーダーとして修正できなかった自分の責任」…渡邊雄太が語る、次戦へつなげる3つの反省

14時間前

渡邊は32分の出場で13得点6リバウンドをマーク [写真]=fiba.basketball

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 最大15点リードからの逆転負け――。試合後の記者会見では「自分の責任」「自分の力のなさ」「自分のふがいなさ」という言葉を連発する渡邊雄太がいた。勝利に導けなかったことに、チームリーダーとして自責の念を感じていたのだ。

 前半と後半では、まるで別のチームが戦っているかのような試合だった。

 ゲームの序盤、中国はこれまでのトム・ホーバス体制のオフェンスを意識してか、日本の3ポイントを警戒するディフェンスシフトからスタート。日本はこれを逆手に取り、アレックス・カークのインサイド、渡邊のバックカットからのダンクなど、ペイントに侵入して得点。インサイドを攻めれば外が空き、西田優大のジャンプシュートや安藤誓哉のフリースローで加点するなど、自在な攻めを見せた。

 こうした、ポイントガードだけにゲームの組み立てを任すのではなく、オフボールの動きからオフェンスの形を作っていくことは、トム・ホーバス体制の最後となったWindow1から作り始め、今に引き継いでいたことだった。完全に主導権を握った日本は、前半を47-33で終え、14点のリードでハーフタイムを迎えた。

 対して中国は、ディフェンスの入りで失敗したことでリズムが出せず、それに加えて、ポイントガード陣がファウルトラブルを起こしたことにより、後手に回っていた。

 しかし後半に入ると、中国にアジャストを許してしまう。ディフェンスではプレッシャーを強めてインサイドを警戒。オフェンスではスペインピック(ピック&ロールに3人目の動きが加わり、2枚のスクリーンを連続して活用するオフェンス)からの展開を何度も繰り出し、第3クォーターには13-0のビッグランを作る。その軸となったのは、ベンチスタートのポイントガード、リャオ・サンニンのクリエイト力とセンター、フー・ジンチウのフィニッシュ力だった。

 日本は中国のアジャスト力と、後半に立て直してきた戦術の遂行力の前に脚が止まってしまい、80-87で逆転負け。後半のスコアは54-33、特に第3クォーターの9-25が響いた試合だった。

 後半、中国が別人のようなチームになったのは、ハーフタイムで沈んでいる選手たちを集めて心を一つにし、士気を高めたベテラン選手の存在を許したからだということを、試合後の中国選手たちの声から知ることができた。

 渡邊が「自分の責任」と言ったのは、そうしたコート上で修正することや、流れが悪い時にリーダーシップを取ることができなかった反省があったからだ。ホームでの悔しい逆転負けから学んだことは何か。試合後、渡邊が中国戦を分析し、3つの反省を挙げた。

■自滅が招いた逆転負け

リーダーとしてチームをけん引した [写真]=fiba.basketball

「悔しい敗戦です。前半はいい形で終われたのに、後半に多くのターンオーバーが出てしまい、相手に速攻のチャンスを与えてしまいました。また、いいときは人とボールが動いて、フリーの形でペイントタッチができましたが、後半うまくいかなかったときにバタバタしてしまい、自分たちの自滅から逆転負けを食らってしまいました。

 アレックス(カーク)が練習から本当に良かったので、自分たちのベストプレーヤーであるアレックスにもっとボールを持たせればよかった、という反省があります。  

 自分のオフェンスについては、ターンオーバーになるならば、最低限シュートで終わりたいと思って打ったことで、多少タフショットになってしまいました。あそこで決め切れないのが自分の力のなさ。まだまだ成長しなければなりません」

■中国の印象と次戦(Window3)への対策

「中国は強いチームで、本当に悔しい負け方になってしまったというのが率直な気持ちです。特に、後半はスペインピックから簡単に得点を取られ過ぎてしまったので、次に対戦するWindow3では、そこを修正しなければなりません。また、中国は高さがあって、リバウンドが強いのはわかっていたので、全員で飛び込んでいかなければならないのに、後半、簡単にオフェンスリバウンドを取らせてしまいました。

 後半に相手がアジャストしてくることはある程度、予測していました。そこで自分たちが対応できなかったのも、今の自分たちの現状。相手が対応してきたことに対して、ターンオーバーが続いてしまい、相手のアジャストの前に自分たちはいいオフェンスを見つけることができませんでした。この点は、自分たちがもっと成長しなければいけない部分です」

■3月1日の韓国戦に向けて

最後は次戦、韓国戦に向けての思いを語った [写真]=fiba.basketball

「この一敗は痛いですけど、これで終わりではないですし、このチームの試合はまだまだ続きます。今日負けたことに対して『悔しかった』だけで終わらないように、このチームがこれから強くなるために、何をしなければいけないのかをしっかり話し合いたい。こういう悔しい負け方をすると引きずってしまうが、それだけは絶対にしてはいけないと思っているので、しっかり前を向いて、みんなで韓国戦に向かいます」

 前半、あれだけうまくいった攻防も、後半、中国に完璧にアジャストされたことにより、地力の差があることを痛感させられた試合だった。新体制になったばかりの今は、渡邊の言うとおり、現時点では力が及ばなかったのだ。

 しかし、「このチームでの試合はまだまだ続く」とも言うように、敗戦を引きずるわけにはいかない。中国戦の敗戦を「自分の責任」――と語るのであればこそ、敗戦から学んだ反省を、チームメートたちと共有していかなければならない。最後に渡邊は次戦に向けて、決意を新たにして前を向いた。

「次は韓国戦。相手はもちろん強いですけど、自分たちは勝てる力があると思っているので、中国戦の反省を生かして、やるべきことをこの2日間でやっていきます」

文=小永吉陽子


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