仮想通貨が上昇、戦略準備進めるとトランプ氏-BTC以外も含む

トランプ米大統領は2日、暗号資産(仮想通貨)の戦略備蓄を進める計画を明らかにし、ビットコイン以外も準備に含める考えを示した。これを受けて、仮想通貨が大きく値上がりしている。

  暗号資産に関する大統領令について「大統領作業部会に対して、XRP、SOL、ADAを含む暗号資産戦略準備を進めるよう指示した」と、ソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

  その約1時間後の二つ目の投稿では「当然ながら、ビットコインやイーサなど価値ある暗号資産が準備の中核となるだろう。私はビットコインとイーサリアムも大好きだ」と続けた。

  1月に署名された大統領令は、特定の暗号資産に触れることなく、「国家デジタル資産備蓄」の可能性についてのみ言及。その創設と維持について作業部会に検証するよう命じていた。ビットコインへの明確な言及がなかったことで、業界寄りの政策を期待していた向きからは一部で失望の声も上がっていた経緯がある。

  ビットコインは、トランプ大統領の2期目就任日である1月20日に付けた10万9000ドル超の最高値から前週末までに一時28%下落していた。投稿を受けて、ニューヨーク時間2日午後に9%上昇し9万4000ドル台を回復。暗号資産で2番目に規模が大きいイーサも13%近く上げ2500ドルを上回った。

  カルダノ(ADA)は投稿を受けて50%余り上昇。ソラナ(SOL)は20%超、リップル(XRP)も30%それぞれ上昇した。

  暗号資産投資会社GSRの店頭取引担当グローバルヘッド、スペンサー・ハラン氏は、トランプ氏の発言は「取引参加者が急いでロングポジションを再構築する結果となり、素晴らしい追い風になっている」と述べた。

  仮想通貨マーケットメーカー、エフィシェント・フロンティアのセールス責任者アンドルー・トゥ氏は、トランプ氏の投稿にリップルとカルダノが含まれていたことは驚きだったと指摘。

  一方で「期待が現実に合わなければ、市場は再び後退する可能性がある」とし、現時点では過去1週間の弱気相場は全て忘れ去られているが、マクロ経済を巡る懸念は依然として重荷であり、株式市場が下落すれば仮想通貨も同様に再び下げる可能性があると述べた。

  米政府が実際にどれだけ購入するか、購入資金をどのように調達するかなどトランプ氏の計画の詳細の多くは明らかにされていない。

  ホワイトハウスは現時点でコメントの要請に応じていない。

  トランプ氏は2月、リップルのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)に関する仮想通貨メディア、コインデスクの記事についてトゥルース・ソーシャルで言及。リップル支持派は歓迎する一方、他の暗号資産の幹部らは不満を示していた。

原題:Trump Sparks Crypto Rally by Saying More Coins to Be in Reserve(抜粋)

(アナリストコメントや最新の値動きなどを追加して更新します)

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