エヌビディア、最新AIテクノロジー発表-台湾との連携強化図る

人工知能(AI)半導体で世界をリードする米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は19日、AIコンピューティング需要の拡大を支える一連の最新テクノロジーを発表した。

  フアン氏は台北でのアジア最大級のエレクトロニクス見本市「コンピュテックス」開催に合わせ、新製品を紹介するとともに、サプライチェーンの鍵を握る台湾との関係強化を図った。

   エヌビディアの創業者でもある同氏は、AIソフトウエアサービスの開発・運用に不可欠な自社製アクセラレーターを中心としたエコシステム(生態系)の更新について説明。自社製品のさらなる普及と、より多くの産業や国々によるAI導入の障壁を取り除くことを目指している。

  台湾生まれのフアン氏は世界的な半導体供給拠点である台湾について、「新たな市場を創出するには、コンピューターエコシステムの中心であるここから始めなければならない」と語った。

  同氏はエヌビディアのAI向け次世代システム「GB300」にも言及し、今年第3四半期に本格投入予定だと明らかにした。

  エヌビディアはまたデータセンター向けに提供しているコンピューティング製品の新バージョンも披露。「NVリンク・フュージョン」により、顧客が自社のプロセッサーとエヌビディアのAIチップを組み合わせるか、エヌビディアの画像処理半導体(GPU)と他社のAIアクセラレーターを組み合わせるかを選択できるようになる。

  これまでエヌビディアは、自社コンポーネントで構築したシステムのみを提供。今回の変更でデータセンター顧客は柔軟性を高めつつ、エヌビディアのテクノロジーを中心に据えることが可能となる。

  一方、同社の主要顧客であるマイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなどは独自のプロセッサーやアクセラレーターの設計を試みている。これはエヌビディアがデータセンターにとって不可欠な存在でなくなるリスクもはらんでいる。

  フアン氏によれば、台湾の聯発科技(メディアテック)と世芯電子(アルチップ・テクノロジーズ)、米マーベル・テクノロジーは、エヌビディアのプロセッサーベースの機器と連動するカスタムAIチップを開発する。また、クアルコムと富士通はエヌビディアのアクセラレーターと連携するカスタムプロセッサーの製造を計画している。

原題:Nvidia CEO Unveils New Tech to Keep Global AI Expansion Going (抜粋)

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