<らんま1/2>山口勝平×林原めぐみ×日高のり子×山寺宏一インタビュー ベテランが本気の剛速球を投げ合う 新作アニメ収録の裏側
山寺さん 前作の頃よりも、今のほうがみんな肩の力が抜けて楽しんで演じられている気がします。当時は若手だったので、自分のことで手いっぱいで緊張していましたから。
林原さん 当時は目の前のことにひたすら一生懸命だったから、楽しむ余裕がなかったんです。
--男乱馬と女らんまの入れ替わりの演技について、林原さんがアグレッシブに掛け合いを引っ張っているような印象も受けます。二人の中で意識の変化はある?
林原さん 特に第3期に入ってからの乱馬は、本当にひどいんですよ(笑)。良牙くんに対して申し訳なくなるくらい、心が痛むようなひどい仕打ちを連発していて。しかもタチが悪いんです。
山口さん 女らんまになるとテンションが上がる話が多いんですよね。林原さんが僕の投げたテンションをクッと引き上げて次のセリフにつなげてくれるんですが、そんなに上げてくる!?と思う瞬間があって(笑)。でも、そのパスを受け止めて掛け合えるのがすごく楽しいです。
林原さん 乱馬にとって、計画的ではない不意の女化は不本意な事故だから、「なっちまった!」という怒りのパワーがセリフに乗っちゃうんだろうね(笑)。
山口さん だからあのテンションになるんだ! 前作のとき以上に、二人で一人の乱馬というキャラクターを演じている感覚がバージョンアップしている手応えがあります。
山寺さん 被害者代表の良牙としては、女らんまになると乱馬の性格の悪さがより際立つ気がして(笑)。今回の演出なのか、原作通りなのか、それとも林原さんのせいなのか(笑)。
林原さん 私のせいにしないで(笑)。でも山寺さんは最近、私への当たりが強いんですよ。良牙の感情を引きずってるんじゃないですか?
山寺さん 第3期は良牙が本当にひどい目に遭い続けるので、つい(笑)。でも、勝平と林原さんの入れ替わりのチームワークやマイクワークの連携は、見ていて本当にほれぼれしますよ。名人芸です。
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山口さん マイクの横からスッと入ってくるから、スッと抜けながら入れ替わるんです。あうんの呼吸があるのかもしれません。
--令和の時代に再び「らんま1/2」がアニメ化され、改めて感じた作品の魅力や発見はありますか?
山寺さん 高橋留美子先生の原作が、今読んでも圧倒的に面白いということですね。以前のアニメの記憶に引っ張られすぎないように、あえて昔の映像は見返さず、原作コミックを徹底的に読み込んで臨んでいます。カットごとのギャグのキレや細部の面白さを、以前以上に実感しています。
林原さん 私たち自身、昔以上に客観的に作品を楽しめていますし、何より「あかねが本当に可愛い」という結論にみんなでたどり着くんですよね。
山口さん 当時はお互いに「負けられない」「見せなきゃ」という意識が強かったですが、30年以上のキャリアを経て、お互いの芝居を尊重しつつ自然体に共有できるようになりました。
山寺さん この作品は僕たち演者にとって最高の「アンチエイジングアニメ」であり「リハビリ」ですね(笑)。テンポが速くてアクションも激しいので、反射神経も試されますし、叫びまくるので声も身体もフル活用します。
日高さん 本当に! アクションのテンポに合わせて素早くセリフを落とし込むので、頭も体もフル回転です。それと、今期はスタジオでの私の天然ぶりがみんなにイジられて大変で……(笑)。
山口さん のんこさん(日高さん)、現場でめちゃくちゃ天然なんですよ(笑)。
日高さん 言い訳させてもらうと、あかねは出番が多くて叫ぶシーンも多いので、酸欠気味で意識がもうろうとしてるときがあるんです! でも、それをみんなが見逃さずに突っ込んでくるんですよ。今回、原作を読み込んで気づいたのは、あかねちゃんにも実はかすみお姉ちゃん譲りの天然ボケの可愛らしさがあるということなんです。昔は強さやヒロインらしさを意識していましたが、今回はそのちょっと抜けた可愛さを大切に演じています。
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山寺さん 日高さんの天然は計算じゃ出せない部分だからね。本人はしっかりしているつもりだろうけど(笑)。それが演技にもにじみ出ていて、あかねの愛らしさに直結していると思います。
--第3期は、良牙がフォーカスされるエピソードもあります。
日高さん 良牙くんはとにかく純粋でピュアそのものですよね。そのピュアさ故に乱馬に振り回されたり利用されたりしているのが本当にかわいそうで(笑)。一途すぎるが故に不器用になってしまうところが、愛らしくてたまらないです。
山口さん 良牙の純粋さが引き立てば引き立つほど、女らんまのひどさが際立つ(笑)。
山寺さん 良牙はすごく真っすぐで優しいけど、乱馬に何度も同じような手でだまされるシーンが続くと、「頼むから気づいてくれよ!」と演じながら突っ込みたくなります(笑)。ただ、良牙自身もPちゃんの姿になったときは、あかねに甘えられる立場を利用しているちゃっかり感もあるんですよね。
日高さん ただ、私はそこだけはどうしても解せないポイントで(笑)。
山寺さん 呪泉郷の呪いは、姿が変わるだけじゃなくて、その人が隠し持っている本質や裏の願望を引き出してしまう側面があるんじゃないかなと思っていて。Pちゃんのときのちゃっかり感もその一つかもしれません。
山口さん 確かに! ムースはアヒルになってもシャンプー一筋で全く裏表が変わらないですから、人それぞれの本性が出るのかもしれませんね(笑)。
--山寺さんにとって、良牙や「らんま1/2」はどんな存在になっている?
山寺さん ものすごく大きな存在です。もともとは良牙役ではなく、呪泉郷ガイドなど脇役で参加していたのですが、途中で良牙役に決まって。当時はずっと自信がないまま試行錯誤で演じていました。良牙は不器用なキャラクターなので、演じる側が器用にこなしている感を出してしまうと良牙らしさが消えてしまうんです。そこが長年難しかったのですが、今回のシリーズでようやく心から楽しんで演じられる境地にたどり着けました。
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日高さん 山寺さんの良牙は、全力で叫んだ後にフッと抜くお芝居のギャップが絶妙で、本当に誰もまねできない素晴らしさなんです。
山口さん 山寺さんの演技には「面白くしてやろう」という嫌な作為が見えないから、ストレートに胸に届くんですよね。
山寺さん 昔は先輩に「Pちゃんは面白いけど、良牙は面白くないよね」と言われたのがずっとトラウマで(笑)。でも、それが糧になって今につながっています。共演者のみんなが笑って受け止めてくれるから、本当にやりがいがありますね。
--最後に、アニメを楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
山寺さん 新たなアニメシリーズは、原作の魅力を大切にしつつ、スタッフ陣の深い“らんま愛”によって、アクションもギャグもさらにエネルギッシュにパワーアップしています。我々キャストもその熱量に応えるべく全力で挑みました。良牙の活躍も含め、ぜひ期待してご覧ください!
日高さん 前作を楽しんでくださった方も、今回初めて触れる方も、私たちが心から面白がって魂を込めたお芝居を楽しんでいただけたらうれしいです。頭を空っぽにして、心を無にして画面の前で笑ってください!
山口さん アフレコが終わった後、みんなでご飯を食べて笑い合うくらい、キャスト・スタッフ一丸となって楽しんで作っています。僕たち自身が「らんま1/2」の一番のファンかもしれません。この大好きな世界を、視聴者のみなさんと一緒に再び盛り上げていけたら最高です。
林原さん 30年以上の時を経て、昭和、平成、令和と駆け抜けてきた中で、またこうして同じキャストで「らんま1/2」をお届けできるのはまさに「人生のご褒美」だと感じています。世代を超えて親子でも楽しめる稀有な作品ですので、放送を楽しみにお待ちください!
新作アニメは、豪華声優陣が本気の剛速球を投げ合い、互いの芝居を高め合って作り上げられた。30年以上の時を経てなお進化を続ける声優陣の掛け合いは、世代を超えて多くの人々に笑顔を届けてくれるはずだ。(阿仁間満/MANTANWEB)