「更年期」を知れば未来が変わる!「ホルモンハグプロジェクト」

40代後半から50代にかけて、なんとなく疲れやすくなったり、気分の浮き沈みが激しくなったりと、体や心の変化を感じる人も増えてきます。実際、女性のキャリアと更年期は密接に関係しており、体調不良を理由に仕事を続けにくくなるケースも少なくありません。そんな中、更年期の課題を社会全体で考え、解決策を提案する「ホルモンハグプロジェクト」が始動。アンファーが主催した発足記念イベントでは、医師や専門家が登壇し、更年期とキャリア、最新のケア方法について語り合いました。

更年期は、40代後半から50代にかけて多くの女性が経験する大きなライフイベントのひとつです。しかし、日本では依然として更年期の影響が働く環境で十分に考慮されているとは言い難いのが現状です。

アンファーが主催した「ホルモンハグプロジェクト」の発足記念イベントでは、更年期世代のキャリアと健康課題についてのディスカッションが行われました。登壇者のひとりであるジャーナリストの浜田敬子さんは、長年のキャリアの中で感じた女性の働き方の課題を共有しました。とくに、育児と仕事の両立に加え、更年期による体調変化がキャリアに影響を及ぼすことが問題視されています。

例えば、短時間勤務を選択することで昇進や昇給の機会を失う「マミートラック」現象や、男女の賃金格差が広がる問題などが挙げられました。加えて、更年期の症状によって働きづらさを感じる女性が多いにもかかわらず、それを職場で言い出せない雰囲気があることも、キャリア継続を阻む要因となっています。

医師が語る「更年期の真実と正しい対策」

このイベントでは、医師でクレアージュ東京エイジングケアクリニック総院長の浜中聡子先生が更年期の実態について解説し、健康管理の重要性を強調しました。

「更年期は病気ではなく、ホルモンバランスの変化によって起こる体の自然なプロセスですが、それによる影響は個人差が大きく、適切なケアを受けることが重要です。

例えば、睡眠障害、ホットフラッシュ、気分の浮き沈みなどの症状が多くの女性に見られます。こうした症状を軽減するためには、ホルモン補充療法(HRT)や生活習慣の改善、適切なサプリメントの活用などが有効です。とくに、企業が女性社員の健康診断に婦人科検診を含めることや、リモートワークを柔軟に導入することで、働きながらでも適切なケアを受けやすくなる環境を整えることが求められます」(浜中聡子先生)

更年期は単なる「加齢による変化」ではなく、女性のキャリアや生活の質に大きな影響を与える要素です。企業も個人も、更年期に対する理解を深め、適切なサポートを受けられるようにすることが大切だと感じました。

最新の更年期ケア! 2025年のトレンドとは?

更年期ケアの分野では、近年さまざまなサービスやグッズが登場し、女性が快適に生活できるようサポートする技術が進化しています。

例えば、海外ではホットフラッシュを軽減するウェアラブルデバイスが登場し、体温の急上昇を感知すると自動で冷却機能が作動する製品が人気を集めています。また、AIを活用した遠隔医療サービスも発展し、ホルモンバランスの変化をリアルタイムでモニタリングできるアプリも開発されています。

さらに、睡眠の質を向上させるスマートベッドや、更年期の症状を和らげるアロマやサプリメントなど、ライフスタイルにとり入れやすい商品が次々と登場しています。これらの技術は、女性がより自分らしく働き続けるための大きなサポートとなるでしょう。

また、更年期の知識を広めるための教育プログラムやコミュニティが増えており、同じ悩みを持つ女性同士が情報を交換できる場も増えてきています。更年期は決してひとりで乗り越えるものではなく、社会全体で支えていくべきテーマです。

更年期は、キャリアや生活に影響を与える重要な時期ですが、適切なサポートがあれば乗り越えることができます。企業の制度の見直しや、最新技術を活用したセルフケアの普及により、更年期をポジティブに捉える動きが広がっています。

これからの時代、更年期に関する知識を深め、自分に合ったケアを見つけることが重要です。周囲の人々と情報を共有しながら、心地よい働き方やライフスタイルを築いていくことが、よりよい未来につながるのではないでしょうか。

取材・文/FYTTE編集部

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