国が熊本に送ったもの、僕の防災リュックに入ってなかった
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長谷川賢人 ( GIZMODO編集部 )令和8年熊本地震により被災されたすべての皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な生活が戻ることを願っております。
電気は戻る、水は戻らない…。
毎年9月1日の防災の日が近づくと、防災リュックに何かを買い足そうかなとカートを開くんですが、もうそれなりに「必要とされるもの」は揃っている気もします。使用期限を確認して、「一旦は大丈夫か?」となる。
そんなとき、令和8年熊本地震が起きました。令和8年8月千葉豪雨も記憶に新しい。やっぱり色々備えておくに越したことはない、と感じます。
そこで、内閣府が更新している令和8年熊本地震の被害状況資料を読んでいたら、国が被災地に送った物資の一覧が載っていたんです。これが、自分が想定していた防災グッズの並びとも結構違っていて、発見がありました。
電気より、水が長い
まず、被害状況を見てみました。停電は最大で約4万8,530戸。復旧したのは7月31日の16時44分です。地震が起きたのが28日の16時27分なので、3日と17分。
通信も、31日の朝には携帯4社すべてでエリアの支障が解消しています。
一方で、断水は最大で約10万8,100戸。停電の2倍以上の世帯から水が消えました。しかも、長い。宇土市が4日、熊本市が6日で戻ったのに対して、八代市の約2万5,000戸が復旧したのは8月26日と、29日かかっています。
8月27日時点の資料でも、宇城市と氷川町ではまだ約300戸が断水中です。同じ災害に含まれる地域でもこれだけ差がある。
電気は戻った。でも水は戻りにくい。その事実を、まず知ることができました。
国が支援物資として送ったもの
大規模災害が起きたときに、国が被災自治体からの要請を待たずに、必要と見込まれる物資を調達して被災地へ緊急輸送する仕組みを「プッシュ型支援」といいます。資料には、そうして届けられた物資がリスト化されていました。
飲料が約139万本、主食が約59万食。ここまでは想像どおりですが、その先が具体的でした。載っているものは、まず「必要と見込まれる物資」ですから、自分でも忘れずに備えておきたいところです。
- 携帯トイレ:4万5,000回分
- 段ボールベッド:5,000個
- ブルーシート:合計約8万枚
- おむつ:約10万6,000枚
- 生理用品:約4万6,000枚
- 液体ミルク:約6,600本
- 水循環型シャワー:143台
- エアコン・クーラー:1,075台
さらに、関係団体や企業の協力のもと、置き型手すり262個、伸縮杖40本、車椅子16台、介護用シャワーチェア20台。他にも、8月21日に歩行器が5個、24日には車椅子用のスロープが2個など、地震から4週間が経っても、立つため・歩くための道具が届けられています。
それからもう一つ気になったのが、弾性ストッキング3,000枚です。
足がむくむという災害
弾性ストッキングには「あぁ、そうか!」と声が出ました。
弾性ストッキング(着圧ソックスとも呼ばれますね)は、足を下から上へ段階的に圧迫する特殊な編み方でつくられているストッキングです。
主には、エコノミークラス症候群の予防に使われるものです。車中泊や避難所で、長時間同じ姿勢のまま動けない状態が続くと、血栓ができやすくなってしまう。
弾性ストッキングなら2000円前後から買えます。僕の防災リュックには入っていなかったので、これは追加で準備するとしましょう。
暑さも災害のうち
今回の熊本地震は、真夏のど真ん中で起きています。8月25日時点の気象の見通しでも、最高気温36度以上の日が続き、25日は酷暑日。
だからこそ、エアコンが1,075台送られ、学校や体育館15か所には業務用エアコンが設置され、汗拭きシートが3,727箱届いている。
8月上旬以降は、避難所で新型コロナの感染者も一時確認されました。停電や断水ばかり想像していましたが、夏の避難所は暑さそのものだって敵だし、集団生活には感染予防も欠かせない。
さすがにエアコンを備えておくのは個人では難しいでしょうが…僕も「どんな季節に災害が起きるか」を想定して、リュックの中身を衣替えすることはできそうです。それこそ、夏の肌着なら冷感インナーだし、冬なら吸湿発熱インナーにしないと意味がないですもんね。
数千円で先手を打つ
支援リストを自分の買い物に当てはめてみると…ブルーシート、携帯トイレ、弾性ストッキング。それに汗拭きシートやドライシャンプー。水の心配も避けられないとなれば、防災用の飲料用ろ過器があってもいいでしょう。どれも数千円以内で今日買えるものばかりです。
モバイルバッテリーやポータブル充電器も大事。ただ優先順位でいうと、電気は思ったより早く戻ってきている。水とトイレと暑さと、床で眠ることのほうが長く続くことが、少なくとも熊本地震の支援状況からは見えてくるようです。
防災グッズって、買った瞬間から使わないことを願う、変な買い物です。それでも数千円で、自分を助ける準備もできる。被災地は一日でも早い復旧を願うばかりですが、次は自分の場所も危ないと常に備えておかないとな、と思っています。