中国、ウクライナ和平に向けトランプ氏への支持表明 G20会合
[北京 21日 ロイター] - 中国の王毅外相は20日、南アフリカで開催された20カ国・地域(G20)外相会合で、ウクライナでの戦争終結に向けてロシアとの合意を目指すトランプ米大統領への支持を表明した。
中国外務省によると、王氏は「米ロの最近のコンセンサスを含む(ウクライナの)平和に資する全ての努力を支持する」と強調。「中国は、危機の政治的解決に向け建設的な役割を果たし続ける」と述べた。
14日のミュンヘン安全保障会議では、ロシアとウクライナの紛争に関わる全ての利害関係者が和平交渉に参加すべきと主張していたが、今回はこの点に言及しなかった。
<「米ロ関係改善に概して前向き」>
北京外国語大学で欧州連合(EU)研究部門責任者を務める崔洪建氏は「中国は米ロ関係の改善や、ウクライナ危機が政治的解決に向かうことを概して前向きに捉えているが、交渉や米ロ関係の方向性には細心の注意を払うだろう」と指摘。「中国が仲介に参加すれば、米国がロシアとの関係改善を利用して中国の利益を害するリスクを減らすことができる」と述べた。
また、王氏が全ての利害関係者を交渉に参加させるべきだと発言していたことについては、ウクライナや欧州だけでなく、中国やグローバルサウス(新興国・途上国)諸国も含まれていると付け加えた。
一方、他のアナリストは、中国は地政学的リスクを取ることを避けたいと考えているとして、現時点で中国が実質的に関与してくることに懐疑的だった。
カーネギー・ロシア・ユーラシア・センターのアレクサンダー・ガブエフ所長は「トランプ氏は当初、中国の関与を望んでいたが、今はプーチン氏と話している。彼はプーチン氏とのディール(取引)に中国は必要なく、プーチン氏が彼に完璧でより良いディールをもたらしてくれるという印象を持っている」との認識を示した。
別のアナリストは中国について、ウクライナの復興に参加したいと考えているため、交渉のドアに足を踏み入れたままにしておきたいのではないかと指摘する。
トニー・ブレア・グローバル・チェンジ研究所の中国専門家、ルビー・オスマン氏は「中国は最終的な復興と平和維持における中国の役割について議論することに関心を向けるかもしれない。それにより、中国は欧州安全保障構造にかなり食い込むことなる」と語った。
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Joe Cash reports on China’s economic affairs, covering domestic fiscal and monetary policy, key economic indicators, trade relations, and China’s growing engagement with developing countries. Before joining Reuters, he worked on UK and EU trade policy across the Asia-Pacific region. Joe studied Chinese at the University of Oxford and is a Mandarin speaker.
Laurie Chen is a China Correspondent at Reuters' Beijing bureau, covering politics and general news. Before joining Reuters, she reported on China for six years at Agence France-Presse and the South China Morning Post in Hong Kong. She speaks fluent Mandarin.