マスク氏とラマスワミ氏、米連邦職員の在宅勤務廃止を推進-辞職歓迎
トランプ次期米大統領が連邦政府の支出見直しを目的とする新組織「政府効率化省(DOGE)」のトップに指名したイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏は、連邦職員の在宅勤務制度の廃止を推進すると発表した。次期政権と連邦職員の労働組合との間で対立を引き起こす可能性がある。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の20日付の論説で、両氏は「連邦職員に週5日の出勤を義務付けると、自主退職の波が押し寄せることになるが、われわれはそれを歓迎する。連邦職員が出勤を望まないのであれば、米国の納税者が新型コロナウイルス時代の在宅勤務という特権のために連邦職員に給与を支払う必要はない」とコメントした。
その上で政府効率化省が連邦職員に辞職を迫ることで連邦職員の削減に寄与すると指摘。両氏は論説の中で「連邦の当局者や職員ではなく外部のボランティアとして」自身の役割を果たすと述べた。
ダウンタウンDCビジネス改善地区(BID)の2023年の報告書によると、新型コロナ禍後のオフィス空室率は依然として高く、首都ワシントンのダウンタウンにおける経済活動はコロナ禍前の水準の68%で頭打ちとなっている。そのため、連邦職員が完全に職場に復帰すれば、首都経済を支える可能性がある。
首都ワシントンのバウザー市長はバイデン大統領に対し、首都のダウンタウン活性化に向け職員を職場に復帰させるか、オフィス不動産を手放すよう要請している。
米国では400を超える連邦機関に200万人強の職員を抱える。無党派の非営利団体「パートナーシップ・フォー・パブリック・サービス」によると、そのうち80%はワシントン以外の地域に勤めているという。
トランプ氏が正式に職場復帰を容認すれば、ホワイトハウスと多くの連邦機関の職員が所属する労働組合との対立を招く可能性がある。職場によっては新型コロナ禍のはるか前から在宅勤務の取り決めが存在するところもある。
米電気自動車(EV)メーカーのテスラおよび米宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏は在宅勤務制度を批判しており、23年にはCNBCで、技術者は在宅勤務を巡る「高慢な態度をやめるべきだ」と語っている。
関連記事:トランプ氏の政府効率化公約、米首都経済に甚大な影響及ぼす恐れ
原題:Musk, Ramaswamy Eye Five-Day Office Week for Federal Workers (1)(抜粋)