遠野大弥が公式戦2試合連続弾で絶好調モードに突入。 26歳になったばかりで、日の丸や海外進出も夢ではないだろう [J6節 G大阪戦レビュー]

利き足と逆足での一撃

ヤン・マテウスからのパスを中央寄りで受けた遠野大弥は、間髪入れずに目の前の相手をかわした。

「(ヤンと)目が合ったので準備して、あそこで1人かわせたことが自分のドリブルのスイッチになった」

最終ラインと対峙する手前で一気にスピードアップ。待ち構える相手を加速力で上回り、すかさずシュート体勢へ。利き足とは違う左足にボールが入っている形になってもまったく躊躇しないのが遠野のストロングポイントだろう。

「雨も降っていたので、低く鋭いシュートを。右足でも左足でも打てるのは自分の長所で特徴が出た。僕の持論だけど、右足だとコントロールが効くけど、左足だとダメ元みたいなところで気持ちに余裕があったりするので、メンタルの部分だけどそれがうまくいった。力み過ぎず振れるという点では左足のほうが振れるかなと思う」

 程良く力が抜けた低い弾道のシュートはファーサイドネットに突き刺さる。これにはGK一森純もお手上げだ。

先週の上海海港戦に続く公式戦2試合連続弾で、いよいよ絶好調モードに突入しつつある。チーム事情によって左サイドをスタートポジションにしているが「自分は根っからのストライカ-」と言ってはばからない。チャンスの場面では誰よりも貪欲にゴールだけを狙う。

近年のマリノスにはいなかったタイプのアタッカーである。左右両足で強烈なシュートを打てて、独力で局面を打開することもできる。川崎フロンターレ出身選手らしく細かい技術力も光る。このまま精度を上げて自信をつけていけば、ほぼ隙のない選手になる。

26歳になったばかりで、まだまだ成長が見込める。このまま輝きを放ち続ければ、日の丸や海外進出も夢ではないだろう。

ここ2試合は物足りないソリッドさ

追加点を挙げた植中朝日の貢献については今季開幕からずっと変わらず、あえて述べるまでもない。あれだけ守備やつなぎの場面に顔を出して、体を張って、汗を流しながら、さらにゴールも奪えるのだから、本当に頭が下がる。すでに一過性のものではなく、選手として次のステージに進んだようにも見える。

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