映画『8番出口』川村元気監督、二宮和也から「決定的な提案」|シネマトゥデイ
累計販売本数190万本超のヒットを記録したゲームを二宮和也主演で実写映画化した『8番出口』(公開中)。二宮にとって独立後、初の主演映画となるが、メガホンをとった川村元気監督が二宮を起用した理由、彼の俳優としての魅力を語った(※一部ネタバレあり)。
2023年にインディーゲームクリエイターの KOTAKE CREATE が制作したゲームは、無限に繰り返される地下道の空間を「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」という4つのルールにのっとり、出口を探していく。正しく進めれば1番出口、2番出口と8番出口に近づき、異変を見逃したりあるいは異変と思い込んで引き返せば0番出口(振りだし)に戻る。映画ではゲームのプレイヤーにあたるのが二宮演じる「迷う男」で、主に彼の視点で物語が展開する。
ADVERTISEMENT川村監督が二宮を主演に起用した理由は大きく二つあるといい、一つ目が「ゲームに対するリテラシーが非常に高い俳優」であること。
「今回やりたかったのが、ゲームの映画化というよりは“ゲームと映画の境目が曖昧な映画体験”をつくること。以前、『マリオ』シリーズを作った任天堂の宮本茂さん(※任天堂株式会社の代表取締役フェロー)と対談した時におっしゃっていたのが、いいゲームというのはプレイしている本人も楽しいけど、プレイしている人を見ていても楽しいものだと。最近のゲーム実況というのもそういう楽しみ方なんだと思うんですよね。YouTubeで誰かがゲームをしているのを見て楽しむっていう。そのようなゲーム体験のような、新しい映画体験を作りたいと思っていました。つまり、この映画はプレイヤーの目線でも楽しめるけど、プレイしている二宮くんを観て“あそこに異変があるのに気づかない!”“そっちじゃない!”などという楽しみ方もあって。ある意味、彼は主演であるのと同時に、ゲームのプレイヤーであってもらわなければならない。僕がやろうとしている演出を理解してもらうには、ゲームに対するリテラシーが高い俳優である彼が適任だと。実際、彼は映画の撮影中もカットがかかるとすぐスマホでゲームを始めるような人で、実人生とゲームの境目がないのがとても面白かったです」
ADVERTISEMENT 撮影中の様子。二宮(左から二番目)、川村監督(右から二番目)二宮は本作で「脚本協力」としてもクレジットされているが、ゲームプレイヤーの視点でさまざまなアイデアを提案したという。その一つが、主人公に喘息の持病があること。
「ゲーム的な発想で言うとこうなんじゃないかみたいなアドバイスをたくさんくれて。それがヒントになることも多かった。例えば、主人公が喘息の持病を抱えているのは二宮くんの意見がきっかけです。主人公に足枷のようなものがある方がいいんじゃないかと。ある種サバイバルゲームとしての枷みたいなものを作った方がいいんじゃないかというところで。喘息に関しては、僕が当時脚本を書いているときに百日咳を患っていて、もしこの状態で地下通路から出られなかったら……と不安を感じたのをきっかけに、脚本に取り入れました」
二宮からの提案の中で最も驚いたのが「メイク」。それは当初、想定していたプランと真逆のイメージだった。
ADVERTISEMENT「メイクテストをした当初は、初めは元気だった主人公がループを繰り返すうちにだんだんげっそりして、血の気がなくなっていくプランでした。でも、その日の夜に二宮くんから連絡が来て“逆じゃないか”と。日常のループに疲れ果てている冒頭が最も生気がなく、むしろ地下通路のサバイバルの中でだんだん顔色が良くなっていく、血が通っていく感じにしたらどうかと。確かにそっちの方が面白いなと思ったし、非人間的な毎日を送る主人公がサバイバルの中で人間性を取り戻していくというコンセプトが、彼のメイクの提案を受けてより明確になった。決定的な提案だったと思います。これも喘息と同様に身体性に伴うアイデアで、俳優の身体から出てくるアイデアを取り込んで脚本がどんどん良くなっていくという体験をしました」
二宮を起用した二つ目の理由が、「無個性なキャラクターを演じられること」。
「二宮くんが演じるのは、ゲーム用語で言うモブ、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)と言われる、役名がない役。無個性、無感情の人間が徐々に人間性を獲得していくグラデーションを描いているのですが、人間的な部分に関しては得意な俳優が多い気がするんですけど、無個性って難しいんですよね。特に最初の30分ぐらいの彼の無個性感は凄いなと。非人間的というか、何を考えているのかわからない感じ。それと人間的な部分の両方をやれる才能がとてつもなく、そこを期待していたところもありました」
ADVERTISEMENT二宮の撮影現場での様子を尋ねると、「ゲームプレイヤー的な、フラットな状態」と川村監督。
「そこも彼の素晴らしいところで、彼はめちゃくちゃ感情移入してとか、綿密に役づくりして……ということではなく、行動で感情、人間性を示していく人。ラストシーンもその延長で生まれたものです。シナリオにはなかったのですが、彼と探し続けて最後の最後で“見つかった”ものです」と試行錯誤の上つかんだラストシーンの撮影を振り返った。実際、出来上がったシーンは“この表情のためにこの映画がある”といっても過言ではない、余韻が残る名シーンとなっている。(取材・文:編集部 石井百合子)
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俳優の今田美桜が主演を務め、ヒロイン・のぶを演じるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合・月~土、午前8時~ほか)。9月1日から放送される第23週「ぼくらは無力だけれど」のあらすじを紹介する。
ラジオドラマ「やさしいライオン」は、放送後大きな反響を得るが、嵩(北村匠海)は登美子(松嶋菜々子)の反応が気になっていた。のぶ(今田)から事情を聞いた羽多子(江口のりこ)は、登美子を柳井家に連れてきて……。
ADVERTISEMENT数日後、週刊誌の漫画懸賞の募集要項を目にした嵩は、のぶの勧めもあり挑戦することに。嵩はこれでダメだったら漫画家をやめると宣言する。
朝ドラ112作目の「あんぱん」(全26週/130回)は、「アンパンマン」の生みの親・やなせたかしさんと妻・暢さんの夫婦をモデルとしたオリジナルストーリー。激動の時代にさまざまな苦難を乗り越え、やがてアンパンマンを生み出していく二人の愛と勇気の物語を描く。脚本は、「花子とアン」(2014)以来2度目の朝ドラ脚本となる中園ミホが手掛け、主題歌はRADWIMPSの「賜物」、語りを林田理沙アナウンサーが務める。(清水一)
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特撮ドラマ「仮面ライダーガヴ」(テレビ朝日系)の最終話「目指せ!おいしい未来!」が、31日午前9時から放送される。
異世界からやってきた主人公・ショウマ/仮面ライダーガヴ(知念英和)が、幸せな人間をさらおうとする敵“グラニュート”と戦いを繰り広げてきた本作。最終話では、ショウマ、辛木田絆斗/仮面ライダーヴァレン(日野友輔)、ラキア・アマルガ/仮面ライダーヴラム(庄司浩平)が、幸せを切り開くために最後の戦いに臨む。
ショウマは「俺だって手に入れたい幸せがあるんだ」とランゴ(塚本高史)の前でガヴに変身。ストマック家のためにショウマを排除しようとするランゴに、最後の戦いを挑む。ランゴの攻撃をなんとかしのいできたガヴだったが、強烈な一撃で変身解除される。ショウマは素手で立ち向かうも圧倒され、ついには追い詰められる。(編集部・倉本拓弥)
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邦画実写として22年ぶりに興行収入100億円を突破した映画『国宝』(全国公開中)の特大ヒットを記念して、原摩利彦 feat.井口理による主題歌「Luminance」のミュージックビデオが公開された。
【動画】『国宝』名シーンを凝縮!主題歌「Luminance」MV
『国宝』は、吉田修一が3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験をもとに書き上げた同名小説を映画化。極道の息子として生まれながらも歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道に人生を捧げた主人公・立花喜久雄(吉沢亮)の50年を活写した。
ADVERTISEMENTKing Gnuの井口が歌唱参加した主題歌「Luminance」は、「特別な誰かの人生に喝采を送りたい」という制作陣からの強いオファーを受けた井口の透き通った歌声と、魂の高揚を感じる一曲。主題歌MVには映画の本編映像が使用され、雪が舞い落ちる冒頭の宴会シーン、喜久雄が初めて訪れた歌舞伎小屋・浪花座、喜久雄とライバル・大垣俊介(横浜流星)による圧巻の「二人道成寺」など、劇場で味わえる感動を呼び起こす名シーンの数々が登場する。
6月6日の公開初日から今月21日までの公開77日間で、観客動員数782万9,237人、累計興収110億1,633万2,800円を突破。歴代興行収入ランキングでは、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(173.5億円/2003)に次ぐ邦画実写歴代2位の成績となっている。また、第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表作品にも選出されるなど、さらなる快進撃が期待される。(数字は興行通信社調べ)(編集部・倉本拓弥)
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任天堂の大人気ゲーム「スーパーマリオ」をハリウッドで実写化したカルト映画『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』(1993)が、9月7日19時よりTOKYO MX(東京エリア・地上波9ch)にて地上波放送される。
巨費50億円を投じて製作された本作は、ニューヨークで配管工の仕事を請け負う主人公・マリオと弟・ルイージが、地下空間に広がる恐竜人の帝国に連れ去られた恋人・ダニエラのため、クッパと戦いを繰り広げるファンタジー。原作からかけ離れたリアルすぎるビジュアルと、シュールな世界観は当時日本でも話題となり、30年以上経った現在もカルト的人気を誇っている。2023年に公開された大ヒットアニメーション映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に合わせて、同年9月に4Kレストア版が劇場公開されたことも記憶に新しい。
主人公マリオ役はボブ・ホスキンス、ルイージ役はジョン・レグイザモ、デイジー役はサマンサ・マシスが担当。悪役クッパは『イージー・ライダー』などで知られるデニス・ホッパーが演じた。また、劇中にはマリオの仲間・ヨッシーが、あまりにリアルすぎる恐竜の姿で登場している。(編集部・倉本拓弥)
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『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(全国公開中)から、蟲柱・胡蝶しのぶ(声:早見沙織)と上弦の弐・童磨(声:宮野真守)の死闘を描く本編映像を使用した、決戦CM第2弾と新規場面カット(5点)が公開された。
【動画】胡蝶しのぶvs童磨!『鬼滅の刃 無限城編』決戦CM第2弾
決戦CMでは、普段は笑顔で温厚なしのぶが「私の姉を殺したのはお前だな!」と童磨を相手にブチ切れ、素早い動きで技を繰り出す。対する童磨も「速いねぇ、速いねぇ。だけど不憫だなあ。突き技じゃあ鬼は殺せない」としのぶの攻撃を余裕で交わす。新規場面カットでは、怒りで顔の血管が浮き出るしのぶの姿や、童磨の恐ろしい表情が切り取られている。
本作は、鬼の本拠地「無限城」を舞台に、主人公・竈門炭治郎をはじめとする鬼殺隊と鬼の決戦を描く三部作の第一弾。累計興行収入は280億8,769万4,600円を突破し、歴代興行収入ランキングで3位にランクインしている。(編集部・倉本拓弥)
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