米豪首脳がレアアース協定に署名、日本関連含む 潜水艦取引も協議
[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、オーストラリアのアルバニージー首相とホワイトハウスで会談し、レアアース(希土類)および重要鉱物に関する協定の合意文書に署名した。中国がレアアースの世界的な供給網に対する影響力を強める中、確保に向け連携を強化する。
両首脳が対面で会談するのは今回が初めて。トランプ氏は米英豪3カ国による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を支持すると同時に、オーストラリアへの原子力潜水艦引き渡しを加速させる考えを示し、中国の存在が大きく意識される会談になった。
<レアアース・重要鉱物巡る協定に署名>
トランプ氏は会談の冒頭、レアアースの合意について、4─5カ月かけて交渉を重ねてきたと説明。アルバニージー氏は、合意には日本とのプロジェクトも含まれると明らかにした。
双方が発表した合意文書によると、両国は向こう6カ月でそれぞれ10億ドルを採掘・加工プロジェクトに投資するほか、採掘業者が長らく求めてきた重要鉱物の最低価格を設定する。
ホワイトハウスが発表した声明は、総額530億ドルの重要鉱物鉱床が投資対象になるとしているが、鉱物の種類のほか、場所などの詳細には触れていない。トランプ氏は記者団に対し「約1年後には、どう扱っていいか分からないほど大量の重要鉱物やレアアースを保有することになるだろう」と述べた。
また、米国防総省は西オーストラリア州にガリウム精錬所を建設する。中国は昨年12月に米国向けのガリウム輸出を停止した。
<トランプ氏、原子力潜水艦引き渡し加速を表明>
トランプ氏は、インド太平洋における中国の影響力に抵抗することを目的とした米英豪3カ国による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に支持を表明し、オーストラリアへの原子力潜水艦引き渡しを加速させる考えを示した。
トランプ氏とアルバニージー首相は和やかに挨拶を交わし、会談が始まった。しかし、オーストラリアのラッド駐米大使が過去にトランプ氏を「史上最も破壊的な大統領」と批判したソーシャルメディアの投稿について記者団から質問されると、気まずい雰囲気となる場面もあった。ラッド氏は昨年終盤、これらコメントを全て削除した。
トランプ氏は、ラッド氏のコメントは認識していないとしつつも、同席していたラッド氏に対し「私もあなたのことが好きではないし、今後も好きになることはないだろう」と述べた。
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