ローマ教皇、反対派の米大使指名容認へ 政治論争回避=当局者

 1月22日、ローマ教皇フランシスコ(写真)は、トランプ大統領が教皇に批判的な活動家ブライアン・バーチ氏を次期バチカン(ローマ教皇庁)大使に指名したことに拒否権を発動しないとみられている。2人のバチカン当局者が明らかにした。写真はバチカンで19日撮影。提供写真(2025年 ロイター/Vatican Media/Simone Risoluti)

[バチカン市 22日 ロイター] - ローマ教皇フランシスコは、トランプ大統領が教皇に批判的な活動家ブライアン・バーチ氏を次期バチカン(ローマ教皇庁)大使に指名したことに拒否権を発動しないとみられている。2人のバチカン当局者が明らかにした。

バーチ氏は右派の擁護団体を率いる人物で、LGBTQ(性的少数者)のカトリック教徒受け入れ姿勢拡大といった教皇の司牧政策は世界の14億人のカトリック教徒の間に「多大な混乱」を引き起こしていると発言している。

トランプ氏は昨年12月にバーチ氏をバチカン大使に指名。当時、2020年に教皇と共著を執筆した顧問のオースティン・アイヴァリー氏は、バチカンにはバーチ氏の大使就任を拒否する「あらゆる権利」があると述べた。

一方、バーチ氏は「バチカン指導者や米新政権と協力し、全ての人の尊厳と共通の善の促進にコミットしていく」とXに投稿していた。

バチカン当局者はロイターに、教皇は外交上の争いを避けたい意向から指名を拒否する方針はないと述べた。教皇は通常、政治的な議論に慎重な姿勢を取っている。

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