英国資産が再び下落、インフレ統計発表控え神経質な相場続く

Alice Gledhill

  • ポンドはG10通貨で最大の下落、英国債利回りは先週のピークに接近

13日の金融市場では、英国資産が再び下落。今週は重要なインフレ統計の発表があり、その警戒感から英国資産売りが続く恐れがある。

  ポンドは一時0.8%安の1.2106ドルと、2023年11月以来の安値を付け、G10通貨のうち最大の下落率。世界的な債券安の中で英国債も売られ、10年債利回りは先週のピークで2008年の金融危機以来の水準である4.92%に近づいた。

  この動きは、少なくとも12月の英消費者物価指数(CPI)の発表がある15日まで、英国資産は売られやすい状態が続くことを示唆している。債券は12月上旬以降、世界的に軟調だが、英国債の下げはとりわけ大きい。同国の根強いインフレや拡張的な公的財政が懸念されている。

  三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシニア為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏はリポートで、「現在の英国債売りで、市場参加者の間で政府の財政状態に対する懸念がいっそう増している。このような市場環境では、強いインフレ統計が出るとしてもポンドにとってネガティブに捉えられる恐れがある」との見方を示した。

The pound is 2025's worst-performing major currency vs. the dollar

Source: Bloomberg

  ブルームバーグが調査したエコノミストは、12月の英インフレ率が2.6%と前月から変わらないと予想している。イングランド銀行(英中央銀行)の目標は2%。物価上昇圧力再燃の兆しが見られれば、市場のボラティリティーはいっそう強まる可能性がある。

  オプション取引の動向は、ポンド安継続が見込まれていることを浮き彫りにする。市場のセンチメントを示す1カ月物リスクリバーサルは、22年12月以降で最もポンドの弱気に傾いていることを示す。また、向こう1カ月のポンドの変動に対するヘッジコストは、23年3月以来の高水準に上昇した。

  英国債絡みでは、今週は14日の10年物価連動国債、15日の10年物普通国債の入札も注目される。先週は新発5年債に堅調な需要があったものの、長期債入札の応札倍率は23年12月以来の低水準だった。

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原題:UK Markets Fall Anew With Investors on Edge Ahead of Inflation(抜粋)

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