「生意気ですみませーん」 天才・草彅剛の謙虚さが生み出す名演

ひとシネマ

毎日新聞 2025/4/27 11:00(最終更新 4/27 11:00) 有料記事 2140文字
インタビューに応じる草彅剛。次々と名言が飛び出した=東京都港区で2025年4月14日、幾島健太郎撮影

 「よろしくお願いしまーす!」と元気よく登場し、取材の間中、ずっとハイテンション。

 「演技はルールのない総合格闘技」「画面の僕はその時の僕で、今の僕じゃない」――。

 短い取材の間に、名言が次々と。

 Netflixの「新幹線大爆破」でキレキレの芝居を見せる草彅剛、“天才”という世評も納得である。

不安だからできる

 「脚本は読まない」と公言しているけど、本当ですか?

 「そうですね、あんまり脚本読まないですよ、読まない。『新幹線大爆破』はアクションを全部字で説明するからト書きが多くて、読んでも分かんないんですよ。自分のセリフしか、読まない」

 相手役が誰か、現場で初めて知ったりするんだよね、とカラカラと。不安はないですか?

 「不安だらけですよ。でもだからできるんです。その後誰がどうなるかとか、次の行動とか、分かりすぎちゃうと、それが出ちゃうから、演技できない」

 撮影現場で監督の表情を見れば、その日のシーンが分かるのだという。

 「新幹線大爆破」の樋口真嗣監督とは「日本沈没」以来の主演作。

 「いい関係性をずっと築いてて、脚本を読まなくても監督のその日の顔色見てれば、あ、こっちの方向なんだなって。そんな感じでしたね」

波長を大事に

 ただ、昔は違ったとか。

 「35歳ぐらいまでは、すごく…

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