ジャングリア沖縄きょう開業、訪日客の入場料は1870円高い「二重価格」
沖縄県内初の大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が25日、オープンする。約60万平方メートルの敷地に3万本を超える樹木を植えて南国のジャングルを再現し、恐竜をテーマにした屋外型のアトラクションなどを備える。地の利を生かし、「アジアの20億人」をターゲットに集客を図る方針だ。(佐藤陽)
報道陣に公開された、大型車に乗って恐竜が潜むジャングルを探検するアトラクション(23日、沖縄県今帰仁村のジャングリア沖縄で)=若杉和希撮影ジャングリアは、沖縄本島北部の 今帰仁(なきじん) 村と名護市にまたがるゴルフ場跡地に、約700億円を投じて整備した。
22~24日、報道陣に先行公開された。園内では、大型車に乗り込んで恐竜型ロボットが潜むジャングルを探索したり、四輪バギーを自ら運転してジャングルを駆け抜けたりできるほか、巨大気球に乗って標高200メートルからパノラマの景色を楽しんだりと、約20のアトラクションが来場者を出迎える。
国内の主なテーマパークの概要スパ施設や飲食施設も備え、滞在時間は約6時間を想定している。
ジャングリアは、大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の元執行役員で、再建の立役者で知られるマーケティング会社「刀」の森岡毅CEO(最高経営責任者)が主導して計画された。
雨の中行われた開業記念式典(24日夜、沖縄県今帰仁村のジャングリア沖縄で)=若杉和希撮影沖縄の観光客は年間1000万人近くに上るが、観光の目的は那覇市など本島南部に集中している。北部では「沖縄 美(ちゅ) ら海水族館」以外に集客施設が乏しく、北部の観光客誘致が課題だった。
運営会社には、オリオンビールや地元小売企業などが出資し、株主数の約7割を地元企業が占めた。琉球銀行の川上康会長は「北部の活性化という意味でも意義深い」と語る。
また、大都市圏のUSJや東京ディズニーリゾートと比べ、ジャングリアは周辺人口が少ない。しかし空路で4時間圏内に、中国・上海や韓国・ソウル、香港など大都市を抱え、「アジアの20億人」を商圏として集客を図る戦略だ。
入場料も海外在住者が割高となる「二重価格」を導入し、税込みで国内客は6930円、海外在住者は8800円に設定した。
桜美林大の山口有次教授(テーマパーク論)は「近くに多くのリピート客を抱える大都市圏の施設とは異なり、ジャングリアは数年に1度、域外からの観光客需要を取り込むことが重要になる」と指摘している。