ゴールドマン、S&P500の目標株価引き上げ-米中貿易摩擦が緩和

John Cheng

  • S&P500、今後1年間で6500に達すると予想-従来は6200
  • 慎重姿勢は維持-「数カ月は株価のバリュエーション上昇に限界」

ゴールドマン・サックス・グループが米国株の目標株価を引き上げた。米中貿易摩擦の緩和により「バイ・アメリカ」取引が再び活発化しているという。

  デービッド・コスティン氏らストラテジストは、S&P500種株価指数が今後1年間で6500に達すると予想。従来の6200から引き上げた。新たな目標株価は12日終値を約11%上回る水準。

  米中が相互の関税率の一定期間引き下げで合意したこと受け、12日の米株式相場は上昇。市場では米国のリセッション(景気後退)が回避されるとの見方が広がったが、ゴールドマンは依然としてやや慎重な姿勢を示した。

  ストラテジストはリポートで「経済成長見通しに対する市場の見方はすでに楽観的で、今後の経済および企業業績の減速の程度には不確実性がある。そのため、今後数カ月は株価のバリュエーション上昇に限界があるだろう」と指摘した。

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  ゴールドマンは3月、リセッションリスクの高まりと関税に絡む不透明感を理由にS&P500の予測を2度にわたり引き下げた。ストラテジストらによると、今回の合意によりこうした懸念は和らぎ、特に大型ハイテク株の回復が見込まれる一方、全体の業績見通しにはばらつきがあるという。

  ゴールドマンは「成長見通しは足元で改善しているものの、2025年の関税率は24年に比べてかなり高くなると予想され、利益率には圧力がかかる」と分析。コスト上昇局面でも利益率の維持が可能で、価格決定力の高い銘柄に注目すべきだとしている。

原題:Goldman Raises S&P 500 Targets on Lower Tariff, Recession Risks(抜粋)

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