米国債の弱気ポジション解消、「利回りは十分に上昇した」-ブルーベイ
米長期債利回りが急速に上昇してきたことを受け、RBCブルーベイ・アセット・マネジメントのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)は、利益確定の時だと判断した。同氏は債券弱気派として知られる。
ダウディング氏は先週、12月米雇用統計が市場予想よりも強い内容となり、米30年債利回りが2023年11月以来の5%台に乗せた後、長期債の弱気ポジションを手じまった。30年債が2年債をアンダーパフォームすることを見込む、カーブスティープナーと呼ばれる取引も縮小したと明らかにした。
「利回りは差し当たり、十分に上昇した」とし、「現時点では米金利での明確なトレードはない」と述べた。
ロンドンのRBCブルーベイで1300億ドル(約20兆円)の債券資産を監督するダウディング氏は、昨年9月に調査目的で米国を訪れた際に、ドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利すると確信したという。それ以来、米国債に弱気な見方をしてきた。強い経済と持続的な財政赤字という組み合わせで、30年債利回りは5%に押し上げられると考えていた。
9月の米国訪問後に、社債を「積み増した」ほか、「トランプトレード」の一環としてユーロとポンドに対してドルを購入したとも、ダウディング氏は明らかにした。こうした動きが奏功し、同氏が運用するブルーベイ投資適格アブソリュート・リターン債券ファンド(資産9億1300万ユーロ=約1480億円)のリターンは過去1年間に6.3%と、ベンチマークの3.9%を上回った。米国債利回りが急伸したのに伴い、社債への賭けを減らした一方、ドルのロングポジションは維持した。
米国債は今、短期的な均衡状態に達したと同氏は分析。「もっと面白い取引は米国債以外にあるだろう」と話した。
一つは日本で、日本銀行が金利を引き上げ、日本国債利回りを押し上げ、円高になると、ダウディング氏はみている。
原題:RBC BlueBay’s Bond Bear Who Called 5% Yield Pares Bearish Bets(抜粋)