ミネアポリス連銀総裁、利下げのハードルは高くなった-関税が影響
Catarina Saraiva
- 利下げの可能性低くなるとカシュカリ総裁-関税が物価押し上げ
- 長期インフレ期待の抑制維持が金融当局の最優先事項-カシュカリ氏
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、関税による物価押し上げへの影響を考慮すると、たとえ経済が悪化し始めたとしても米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げする可能性は低くなるとの見解を示した。
総裁はトランプ大統領による関税について、「想定よりはるかに高く、広範囲に及んでいる」と指摘。関税は投資と経済成長を抑制する一方で、「少なくとも短期的には」インフレを押し上げると予想していると付け加えた。
9日にミネアポリス連銀のウェブサイトに掲載された寄稿文で、カシュカリ氏は「関税により、フェデラルファンド(FF)金利を上下いずれかに動かすハードルは高くなった」と記述。「長期のインフレ期待の抑制が極めて重要であり、関税が近い将来にインフレを押し上げる可能性が高いことを踏まえると、たとえ経済が弱含み、失業が増加する状況になったとしても、利下げのハードルは高くなる」と述べた。
カシュカリ総裁は、短期インフレ期待の指標が既に上昇し始めている状況や、過去数年にわたる高インフレの経験を理由に、FOMCは関税による物価ショックを「見過ごす」ことはできないとの認識を示した。
「ここ数年に経験した高インフレと、長期のインフレ期待が抑制されなくなるリスクを踏まえると、長期インフレ期待の抑制を維持することが金融当局の最優先事項になると私は考えている」と述べた。
原題:Fed’s Kashkari Sees a Higher Bar for Rate Cuts With Tariffs(抜粋)
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