カナダとメキシコの鉄鋼メーカー、対米の新規受注に応じず-関税警戒

Joe Deaux

カナダとメキシコの一部鉄鋼メーカーは米国の顧客に対し、新規注文は受け付けていないと伝えている。トランプ米大統領が近く関税を発動するとの懸念があるためだ。

  カナダの鉄鋼会社ステルコは、販売の見積もりを一時停止すると、米国に拠点を置く顧客に伝えている。事情に詳しい関係者が明らかにした。メキシコの鉄鋼サプライヤーも今週、資材の受注を停止した。トランプ氏が行動に踏み切る可能性に備える動きだと、大手バイヤーのフラック・グローバル・メタルズは説明した。

  トランプ大統領は今週、メキシコとカナダからの輸入品に最大25%の関税を2月1日までに賦課する計画だと示唆した。両国はトランプ政権1期目に米国が課した25%鉄鋼関税の適用対象から除外されたが、今回は免れないのではないかとの懸念が業界では強まっている。

関連記事:トランプ大統領、メキシコとカナダに25%関税を計画-一律関税検討も

  米アリゾナ州に本社を置く鉄鋼流通会社であるフラック・グローバルのジェレミー・フラック最高経営責任者(CEO)は、「メキシコの鉄鋼メーカーは米市場へのアプローチに関して、多くの不安を抱え、商業方針を変更している」とインタビューで指摘。「彼らはバランスを崩している。懸念していた状況から、懸念が解消された後、またも懸念が戻っている」と述べた。

  米商務省のデータによると、カナダは米国による最大の鉄鋼輸入先。メキシコは第3位となっている。モルガン・スタンレーの調査によれば、米国の鉄鋼消費量は2023年に約9100万トン。そのうち約27%を輸入品が占めた。

  ステルコの親会社である米クリーブランド・クリフスにコメントを求めたが、返答はまだ得られていない。

原題:Canada, Mexico Steelmakers Refuse New US Orders as Tariffs Loom(抜粋)

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