エヌビディア、新型チップにCPO技術採用 GPUは現状維持

米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は18日、消費電力の削減につながる新しい半導体技術「CPO」について、GPUに利用できるほど十分な信頼性を確立できていないとの認識を示した。写真は説明するフアンCEO(2025年 ロイター/Brittany Hosea-Small)

[サンノゼ(米カリフォルニア州) 18日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は18日、消費電力の削減につながる新しい半導体技術「CPO(Co-Packaged Optics)」について、旗艦製品であるGPU(画像処理装置)に利用できるほど十分な信頼性を確立できていないとの認識を示した。

年次開発者会議で述べた。

CPOは光学部品と半導体チップを同じパッケージ内に組み込み、半導体間の通信に光を利用する。従来の銅ケーブルとの比較でデータ転送速度の向上や消費電力の削減を図ることができる。

フアン氏は基調講演で、サーバーの上に配置するネットワークスイッチに組み込む2つの新型ネットワーキングチップにCPO技術を利用すると発表。従来品よりもエネルギー効率を3.5倍向上できると述べた。

この新型チップは今年から来年にかけて発売する。CPO技術の発展で小さな重要な一歩になるとしている。

ただ同氏は講演後、記者団に対し、旗艦製品のGPUにもCPO技術を利用することを検討しているが、現時点で具体的な計画はないと発言。従来の銅線接続の方が現在のCPOよりも「桁違いに」信頼性が高く、GPU間で直接、光通信を利用するのは「割に合わない」との認識を示した。

その上で、顧客が事前に準備できるよう、信頼性の高い製品ロードマップを提供することを重視すると述べた。

シリコンバレーの起業家や投資家は光学技術に期待を寄せており、大型化するAI用コンピューターの構築で中心的な役割を担うようになると指摘している。

銅接続は安価で高速だが、最大でも数メートルしかデータを転送できず、エヌビディアの製品ラインアップに大きな影響を及ぼしている。

現在の旗艦製品には1つのサーバーに72個のチップが搭載されており、120キロワットの電力を消費する。発生する熱量が非常に多いため、自動車エンジンと同じような液体冷却システムが必要だ。

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