"パを知る男"が手繰り寄せた劇勝 新庄監督も感嘆する凄み…DeNA26歳が欠かせぬワケ

■DeNA 5ー4 日本ハム(8日・横浜)

 DeNAは8日、横浜スタジアムで行われた日本ハム戦で延長10回サヨナラ勝ちを収めた。三森大貴内野手が右前適時打で試合を決めたが、昨季までパ・リーグに所属していた強みを生かして“足”でも大仕事。三浦大輔監督も「守備も走塁も、今日は試合を決める打撃をしてくれた。大きいですよ」と賛辞を惜しまなかった。

 1点を追う9回1死から、中前打で出塁した牧の代走として送られた。1ストライクから田中の2球目にスタートを切りヘッドスライディング。セーフの判定に日本ハム側はリプレー検証を要求したが、結果は変わらなかった。そして宮崎の左前適時打で同点のホームを踏んだ。指揮官は「マークが厳しい中できっちり決めるのはさすが三森だなと。技術と気持ち、素晴らしい思い切りの良さですよね」と目を細めた。

 三森はこう振り返る。「投手も知っていますし、しっかり自信を持ってスタートを切れたかなと思います」。昨季までの8年間をソフトバンクで過ごした。日本ハムは何度も対戦した相手。マウンドにいた田中とは2022年までの同僚でもある。経験に基づいた判断が、劣勢のチームを救った。

 10回は今季初めて二塁の守備に就いた。そしてその裏、1死満塁から劇的な一打。5月22日以来の快音に「ヒットが出ていなかったので、ある意味開き直って、最低でも外野フライをイメージしながら。うれしかったですし、チームが勝ててよかった」と喜びを噛みしめた。

 敵の日本ハム・新庄監督すら「前から思っていたけど、三森くんああいうところ打ちますね、ものすごく。それが(スタメンで)出てないんですもん、すごい戦力ですね」と驚くほどの勝負強さだった。

「知っている選手がパ・リーグの方が多いので、見慣れた光景というか。投手も打者も、今まで対戦していたチーム。セ・リーグのチームよりかは違和感なくやれています」と三森。トレードでやってきた26歳が、キーマンになりそうだ。

(町田利衣 / Rie Machida)

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