ロシア・ルーブルが下げ加速、米制裁で外貨流入枯渇の懸念
Bloomberg News
- 米国はロシア約50行を21日に制裁、これ以降にルーブルは約8%安
ロシア通貨ルーブルの下落に歯止めがかからない。同国の銀行に対する米国の新たな制裁で、外国通貨がロシアに直接流入する最後の経路の幾つかが閉ざされようとしている。
米国は21日、国際金融システムにアクセスを持つロシアの50行前後に制裁を科した。これ以降、ルーブルはドルに対して約8%下落。26日に1ドル=105ルーブルを割り込んだのに続き、27日は108ルーブル台を付け、下げが加速している。
この水準は、ウクライナ侵攻を巡り最初の包括的な制裁が科された直後に付けた2022年3月以来の安値だ。
米国の新たな制裁では、ロシアのガス輸出に対する国際決済を扱っていたガスプロムバンクも対象になった。
プロムスビャジバンクのエフゲニー・ロクチュホフ氏は「市場参加者はカウンターパーティーに速やかに支払いを済ませようと、積極的に外貨を買っている」と説明。「短期的に輸出企業による外貨流入が限られるのではないかという懸念を、制裁は生んでいる」と指摘した。
米国がモスクワ証券取引所に制裁を科し、ドルとユーロの取引が即時停止となった今年6月以降、ロシア銀行(中央銀行)は銀行間取引を使用して為替レートを算出している。中銀は27日、金融市場のボラティリティーを抑えるため年内は国内市場で外国通貨の購入を行わないと発表した。
中銀のデータによると、ルーブルは年初来でドルに対し19%余り下落。中国の人民元に対しても約18%値下がりした。
原題:US Sanctions Hit Ruble as Russia’s FX Sources Are Drying Up(抜粋)
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