中国であと3-5年以内に「BCI」技術実用化も=専門家(ロイター)
Laurie Chen [北京 7日 ロイター] - 中国ではあと3-5年以内に「脳コンピューター・インターフェース(BCI)」技術が実用化される可能性がある――。有力専門家の1人で四川省脳科学・脳啓発知能研究所所長を務める姚徳中氏が7日、全国人民代表大会(全人代)の傍ら応じたインタビューでこうした見方を示した。 BCI技術は人間の脳とコンピューターを直接つなぎ、脳からの信号を読み取って解釈・利用するためのインターフェース技術を指す。 中国政府は2025年にBCI技術の国家発展戦略を公表し、27年までに主な技術的課題をクリアして、30年までには世界クラスの企業を2-3社創設することを目指す方針を示した。 今年策定された新たな5カ年計画においてBCI技術は、量子技術、フィジカル人工知能(AI)、第6世代(6G)移動通信システムなどとともに核心的な将来戦略産業に昇格している。 姚氏は「新しい政策がすぐ変化を起こすわけではない。(しかし)今後3-5年も経過すれば、幾つかの(BCI)製品が徐々に一般向けの実用サービスへ移行していく光景が見られるだろう」と語った。 中国は世界で2番目に侵襲型BCIの人体臨床試験を開始。現在米国と並んで10件以上の試験を進めており、科学者らは今年、全国で50人超の治験者を登録する予定だ。 最近注目された臨床試験では、まひのある患者や切断部位を持つ患者が部分的な運動機能を回復し、ロボットハンドやインテリジェント車椅子を操作できるようになった。 中国政府は既に一部の省で、BCI治療を医療保険に組み込み始めており、国内市場は27年までに55億8000万元(8億0900万ドル)に達するとの予測も出ている。 姚氏は「中国には巨大な人口、膨大な患者需要、コスト効率の高い産業チェーン、豊富な科学・技術・工学・数学(STEM)人材など、BCIにとって多くの強みがある」と主張した。 その上で保険制度への統合や国家標準策定といった政策は、科学研究・産業・臨床応用の間にある「大きな落差」を埋めることを目的としていると付け加えた。 姚氏はロイターに「実験段階から臨床試験までの道のりはかなり長く、これは依然として問題になっている。このプロセスを加速させるため、多くの中国の病院がBCI研究施設を設立している」と説明した。