参院選、自公で過半数に届かず 石破首相は続投表明
[東京 21日 ロイター] - NHKや朝日新聞など国内報道各社によると、20日に投票が行われた第27回参議院選挙は全125議席が確定し、自民・公明の連立与党は過半数を割り込んだ。石破茂首相が設定した勝敗ラインに届かず、両党は衆議院に続いて参議院でも少数与党となる。石破首相は20日夜、「比較第一党の責任を果たさなければならない」などと述べ、続投の意向を示した。
与党が非改選を含めた全体で過半数を維持するには50議席の獲得が必要だった。NHKによると、自民は39、公明は8の合計47議席を獲得。野党は立憲民主が22、国民民主が17、参政が14、維新が7、共産が3、れいわが3、保守が2、社民が1、みらいが1、無所属・その他が8議席を確保した。
20日夜に投票が締め切られ、開票速報が次々と伝えられる中、NHKや民放の番組に相次ぎ出演した石破首相は続投する考えを明言した。「厳しい安全保障環境などに対応する必要がある」とし、「比較第一党の責任がある、国家に対して果たす責任をよく自覚する必要がある」と述べた。続投の意思と受け取っていいかとテレビ朝日の番組で問われ、「結構だ」と答えた。
今回の参院選は248議席のうち、改選の124議席と東京選挙区の欠員1議席、合わせて125議席が争われた。選挙区選に350人、比例代表選に172人の合計522人が立候補した。
物価高対策が最大の争点となる中、与党は現金給付を目玉政策に掲げた。これに対し、野党の多くは減税で対処すべきと訴えてきた。
自民党の森山裕幹事長はテレビ東京の番組で、「社会保障と消費税との関係が国民のみなさんに十分にご理解いただけるところまで我々が説明を尽くしえなかったことが一つの原因ではないか。物価対応についても説明が足りなかったと反省している」と語った。また、NHKの番組で自身の進退について、党総裁の石破首相と相談する考えを示した。
自民党の小野寺五典政調会長はNHKの番組で、「少なくとも政策が受け入られなかった。政策の責任者として重く受け止める」と話した。
東京大学大学院総合文化研究科の内山融教授は、「野党の協力を得るために与党が妥協する、それでどんどん予算が膨張してくるという展開になることは確実に言えるだろう」とみる。「下手をしたら、日本国債の格下げの動きも出てくるかもしれない。日本経済に対する海外投資家の評価もかなり厳しくなるだろう」と話す。
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2025年6月からロイターで記者をしています。それまでは朝日新聞で20年間、主に政治取材をしてきました。現在、マクロ経済の観点から日々の事象を読み解く「マクロスコープ」の取材チームに参加中。深い視点で読者のみなさまに有益な情報をお届けしながら、もちろんスクープも積極的に報じていきます。お互いをリスペクトするロイターの雰囲気が好き。趣味は子どもたち(男女の双子)と遊ぶことです。