ドイツ連邦議会、財政規律緩和の憲法改正案可決 軍事支出拡大へ
[ベルリン 18日 ロイター] - ドイツ連邦議会(下院)は18日、財政規律を緩和する憲法改正案を可決した。経済成長の回復と欧州集団防衛のための軍事支出拡大に向け、数十年にわたり維持してきた保守的な財政方針を転換した。
次期首相への就任が見込まれるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を率いるCDUのメルツ党首にとって大きな後押しとなる。
ドイツを始めとする欧州諸国は、敵対的なロシアやトランプ米大統領の政策転換に直面し、防衛力を強化するよう圧力を受けている。
改正案にはインフラ整備のための5000億ユーロ(5460億ドル)の基金創設も盛り込んだ。「債務ブレーキ」と呼ばれる財政ルールを緩和し、国防費を柔軟に増やせるようにする。
メルツ氏は投票に先立ち、議員に対して「われわれは少なくとも過去10年間、偽りの安心感を抱いていた」と指摘。「今日、国防に関して下す決定は、新しい欧州防衛共同体に向けた第一歩に他ならない」と語った。
法案は賛成513、反対207と、議席の3分の2以上の賛成で可決。今後、上院にあたる連邦参議院での採決が必要だが、「バイエルン自由有権者」が17日に支持に同意したことで、可決への主な障害が取り除かれた。
フォンデアライエン欧州委員長は「素晴らしいニュースだ。ドイツが防衛に大規模な投資を行うという明確なメッセージだ」と歓迎した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
Chief correspondent covering political and general news in Germany with experience in Argentina and in Cuba leading Reuters’ broader Caribbean coverage.