西側情報機関、中国製スパイウェアによる監視強化に警鐘

西側諸国の情報機関は8日、台湾独立運動家やチベット人権擁護団体など、中国政府に反対する人々に対する、中国治安当局による悪質なスマートフォンアプリを使った監視強化の脅威が高まっていると警告した。2017年5月撮影(2025年 ロイター/Kacper Pempel/Illustration)

[デトロイト 8日 ロイター] - 西側諸国の情報機関は8日、台湾独立運動家やチベット人権擁護団体など、中国政府に反対する人々に対する、中国治安当局による悪質なスマートフォンアプリを使った監視強化の脅威が高まっていると警告した。

英、米、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ドイツのサイバーセキュリティ機関は、中国公安省と関係があるとされる業者が導入した悪質な監視ソフトウェアによる「増大する脅威」について警告する勧告に署名した。

勧告によると、成都を拠点とするSichuan Dianke Network Security Technologyは、「BADBAZAAR」と「MOONSHINE」という2種類のマルウエアに関与していた。これらのマルウエアはモバイル機器から機密情報を探し出すために使用され、ハッカーが機器のカメラ、マイク、位置データにリモートアクセスすることを可能にするという。

英国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は、台湾独立運動の関係者、チベットの権利擁護者、新疆ウイグル自治区のウイグル系イスラム教徒、香港を含む民主化運動の活動家、気功集団「法輪功」の関係者などがサイバー攻撃の脅威にさらされやすいとの見解を示した。

この警告はこれらの団体を擁護・代表するNGO、ジャーナリスト、企業、個人に向けられたものだと説明し、「このスパイウェアは無差別にオンラインで拡散されているため、意図された標的以外にも感染が広がる可能性がある」との指摘した。

在米中国大使館の報道官はロイターに対し、「中国は事実に基づかかに中傷や攻撃に断固として反対する」と述べた。サイバー攻撃の分析においては、根拠のない憶測や非難ではなく、十分な証拠に基づいて結論を下し、専門的かつ責任ある態度を取ることを期待すると反論した。

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