「社会人は本で学ぶのが一番早い」 働きながら43歳で早稲田に合格、人気プロ講師が教える「大人の独学術」
■新書はタイパもコスパもいい 鈴木:誰からも教えてもらえなかったので、1人で本を読んで理解するというのをずっと続けていました。でも学びというのは、人に教わればもっと早かったりするのかなと。読んでわかるよりも見てわかるほうが早いですから。じゃあYouTube動画を作ってみようかな、と思ったのが今の学び直しの原体験ですね。 伊藤:貫太郎さんのことは、もちろんお名前は知っていました。ほかの教育系YouTuberの知り合いもいるので。それで「オイラーの公式」の解説本を出されたときに、たまたま買ってみようかなと思ったんですね。 これ、僕はすごいと思ったんですよ。文系で数学から逃げ続けた僕に数学の本を買わせるだけの原動力みたいなものを感じました。書店でその本を買って、その時にちゃんと貫太郎さんを知ったんです。 鈴木:本当に書店でふっと見て買ったんですか? 伊藤:そうです。映像とか、人の話とかで、お名前やお顔を知っているというのは大きかったですけどね。その上で、「こんな本を出されたんだ」と思って。パラパラっと見て、「これ、もしかしたら僕でもわかるかもしれない」「ド文系でも読んでもいいのかも」と思ったんです。 鈴木:それはうれしいですね。 伊藤:あと、薄かったのがよかった(笑)。めちゃくちゃ分厚いとやっぱり買いにくいですよね。 新書だったし、手にも取りやすかったから、仮にその本が外れたとて、そんなに金銭的にも時間的にもダメージがない。要はコスパもタイパも、もし空振りだったとて別にいいかなと思ったんです。 その経験があったので、新書『マイナス×マイナスはなぜプラスになるのか』を出されたときに、Xで反応したら、DMが来まして。それでやり取りして、今日(の対談)があるという状況なので、良かったなと思っています。
■社会人は「本が一番早い」 鈴木:賀一先生の新書『もっと学びたい!と大人になって思ったら』には大人になってからの学生生活の様子が書かれていて、私も行きたいなと思いました。就職のためとか資格を取るためとか、そういった目的がないほうがかえって自由に学べるから、いろんな教養科目を聞いてみたいなという気持ちになりますね。 伊藤:(再入学した早稲田では)いろんな授業を取ったのですが、そのなかに必修で理系の授業があったんです。それで理系に興味をもって、「次は理系の大学に行こうかな」という感覚になれました。 鈴木:今までずっと数学を避けてきたらしいですけど、どんな感じで数学を勉強されているんですか? 伊藤:ここで貫太郎さんのYouTubeを見てるって言えば、いい収まりなのかもわからないですけど(笑)。動画を見る前の段階の部分が足りないと思っています。 社会人の自分としては、「本が一番早い」と思っていて。実は小学校の3年生からやり直しているんですが、ここがすごく大事だなと思っているんです。恥ずかしがる必要は全然ない。分からないんだから、英語は中1から、算数は小3からやったって別に良いと思うんです。 僕はちょっと学校を休んでいたことがあって、そこで一気に算数や数学が苦手になっちゃったんですよね。でも、そこを埋めてしまえば、できるんじゃないかなと思っていて。小学校から始めて、中2ぐらいの段階まで来たのですが、楽しくなってきています。 (フルバージョン動画では、記事に載せきれなかった「集団で勉強するか、一人で勉強するか?」などの話も聞くことができます) 【プロフィール】 伊藤賀一(いとう・がいち)「日本一生徒数の多い社会講師」。法政大学文学部卒業後、東進ハイスクール等を経て、「スタディサプリ」講師。43歳で早稲田大学教育学部を一般受験し合格、49歳で卒業。 鈴木貫太郎(すずき・かんたろう)数学YouTuber。埼玉県立浦和高校卒業。早稲田大学在学中に予備校講師(算数・数学)のアルバイトを務め、専業主夫に。2017年からYouTubeで数学解説動画の投稿を始め、現在の登録者数は14万人を超える(2025年7月時点)。
伊藤賀一,鈴木貫太郎