ドジャースファン激怒!スタジアムにまで迫るトランプ政権「過激すぎる不法移民狩り」の異常事態(ダイヤモンド・オンライン)
外交面では強気の姿勢を崩さないトランプ大統領だが、その矛先は国内の不法移民にも向けられている。人違いでも問答無用で拘束し、強制送還へ進む手法には「もはや人種差別だ」との批判も強い。その怒りは、移民コミュニティに支えられてきたドジャースファンにも広がっていた。ロサンゼルスで何が起きているのか。※本稿は、記者団の読売新聞アメリカ総局『強権国家アメリカ「トランプ革命」の衝撃』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 人違いでもお構いなしに ICEは手錠をかけた 第2次トランプ政権が矛先を向けているのは、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどの移民に寛容な「聖域都市」と称される自治体だ。大量の移民・関税執行局(ICE)の捜査官らを派遣し、不法移民の摘発を強化している。 「今すぐドアを開けろ!令状を持っているぞ」 2025年1月28日早朝、シカゴ郊外の都市エルジンの住宅街で、武装したICEの捜査員ら十数人が玄関前で大声を上げた。次の瞬間、突入用ハンマーを何度も玄関のドアに打ち付けて破壊した。寝ていた住人が飛び起き、「令状を見せて!」と何度も求めたが、捜査員は「外に出ろ!」と命じ、父親以外をはだしのまま外に出した。 捜査員は父親(44)に手錠をかけ、尋問を始めた。父親は捜査員が持っていた令状の人物ではなく人違いだったが、不法移民だったため、そのまま逮捕された。息子(3)が「行かないで!」と泣きわめく中、父親は連行されインディアナ州の留置所に入れられた。父親は出身地のメキシコに強制送還され、家族が引き離される恐れがあった。
家族によると、父親は約24年前から米国に滞在し、屋根工事の仕事に従事しながら税金も納め、3人の娘を大学まで通わせた。 「善良な市民として生きてきたのに、この仕打ちはひどすぎる」と長女ジャネットさん(23)は憤る。父親には前科もなかったと強調し、「トランプ大統領は犯罪者だけを対象にすると言っていた。父は無実なのに逮捕された」と訴えた。 ジャネットさんは逮捕の様子を動画配信し、短時間で数百万回再生され大きな反響を呼んだ。その後、家族はクラウドファンディングで支援を募り、近隣住民やボランティアの支援を受けているという。 ジャネットさんは米国に生まれ、市民権を持つが、母親のサンワナさん(50)は夫と同じメキシコ出身の不法移民だ。夫婦で清掃や屋根修理など複数の仕事を掛け持ちしながら、家族を支えてきた。オバマ政権時にも強制送還はあったが、「あの頃はこんな暴力的なやり方はなかった」と語る。 トランプ政権になってからは恐ろしくて外出もできなくなり、「これではメキシコの麻薬カルテルに襲われるのと同じ。安全なはずの家で心臓が止まりそうになる」と悲痛な心境を吐露した。2人の娘は大学に通っているが、生活費が払えなくなれば学業をあきらめざるを得ない。サンワナさんは「夫なしでは生きていけない」と涙ながらに語った。 ● 「我々は動物じゃない」 シカゴで広がる怒り ミシガン湖畔に高層ビルが立ち並ぶシカゴ中心部から車で西に約1時間離れた住宅街の一角に、移民・関税執行局(ICE)の収容施設がある。覆面姿の捜査官に次々と拘束された不法移民らが送り込まれるのが、この施設だ。 シカゴでは2025年9月から、「ミッドウェー・ブリッツ作戦」と称する摘発作戦が始まった。国境警備隊員までもが動員され、ブラックホークヘリコプターからのロープ降下やドアの破壊など、軍事作戦のような大規模な家宅捜索が行われた。 近郊ではこの作戦で、メキシコ出身の男性がICE捜査官の取り締まりに抵抗し、射殺される事件が起きた。抗議デモには容赦なくゴム弾や催涙ガスが使用され、街は緊迫した。