トランプ氏、戦争終結の合意に近づいていると表明 対イラン攻撃の中止を発表後

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は11日、イランとの戦争終結に向けた協議について、初期合意に近づいていると述べた。これに先立ちトランプ氏は同日、予定していた対イラン攻撃を中止したと、ソーシャルメディアに投稿した。

トランプ氏は米大統領執務室で記者団に対し、「我々はイランとの戦争について、素晴らしい和解を成立させたところだ」と述べた。

一方でイラン外務省のイスマイル・バガイ報道官はイラン国営テレビに対し、合意に関する報道は「臆測」の域を出ないものであり、「何も最終決定されていない」と語った。

トランプ氏はこれまでも、両国が紛争終結の合意に近づいているとする、同様の主張を繰り返してきた。

今回の発表の数時間前には、トランプ氏はイランを「非常に激しく」攻撃すると宣言していた。

アメリカとイスラエルは2月28日、イランに対して広範囲にわたる空爆を実施した。これに対しイランは、イスラエルや、湾岸地域のアメリカの同盟国を攻撃し、世界の原油と液化天然ガスの重要な海上輸送路であるホルムズ海峡を事実上封鎖した。

4月にアメリカとイランの間で停戦が発効したものの、両国は断続的に交戦を続けている。今週だけでも2度の応酬があった。その一方で、トランプ氏はイランとの合意の可能性について繰り返し言及している。

トランプ氏の最新の発言を受け、原油の世界的な価格指標のブレント原油は1バレルあたり約89ドルまで急落し、前日比4.4%安となった。

トランプ氏は記者団に対し、「我々は、イランが決して核兵器を保有しないという合意を得ている。これこそが目的のすべてで、これ(合意)に至るために、我々はこれまでの過程を乗り越えてこなければならなかった。したがって、これは非常に大きなことだ」と述べた。

合意文書が最終決定され次第、「おそらく署名が行われる。たぶんヨーロッパで」とトランプ氏は述べた。署名は「かなり迅速に」実現するはずだとした。

そして、合意文書は「ほぼ最終段階にある。どうなるか様子を見よう」とも述べた。

封鎖状態が続くホルムズ海峡については、「我々が署名すれば、すぐに」開放されるとした。

トランプ氏は、湾岸地域の同盟国や、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相ら中東の複数指導者と協議したことも明らかにし、「中東全体が非常に喜んでいる」と付け加えた。

一方、イスラエル首相府はやり取りがあったことを認めつつ、イスラエルは「了解覚書の当事者ではない」とした。

首相府の声明によると、ネタニヤフ氏は、「濃縮物質の排除、濃縮施設の解体、ミサイル生産の制限、同地域のテロ代理勢力に対するイランの支援停止」を含む最終合意に向けたトランプ氏の取り組みに謝意を表明したという。

イラン外務省のバガイ報道官は、了解覚書の文面の大部分はすでに「最終決定」されていたが、アメリカ側が「過度な要求」を突きつけ、「新たな要望」を追加してきたと述べた。

その上で、イランが「自国のレッドライン(越えてはならない一線)から逸脱することはない」と強調した。

トランプ氏はこれまで、イランとの合意が間近に迫っていると示唆するたびに、合意に達するであろう時期を示してきた。しかし、具体的な詳細は依然としてほとんど明らかになっていない。

イランとの合意をめぐるトランプ政権の最近の発言や動きには、次のものがある。

4月20日:イランとの合意は「比較的速やかに」成立するとトランプ氏

5月6日:戦争は「すぐに終わる」、両国は14項目からなる了解覚書について合意に近づいているとトランプ氏

5月23日:イランとの和平合意の「大半は交渉済み」で、間もなく詳細が明らかになるとトランプ氏

5月27日:イランと交渉中の合意条件に「満足していない」とトランプ氏

5月28日:イランと合意には「まだ達していないが、非常に近づいている」とヴァンス副大統領

5月29日:イランとの合意に向けた「最終決定」を下すため、トランプ氏が側近と協議。合意は発表されず

6月11日:イランとの戦争終結に向けて「素晴らしい和解」が成立し、「数日中に」合意文書への署名が行われるとトランプ氏

トランプ氏はイランとの合意に言及する数時間前、「アメリカは今夜、イランを(中略)激しく攻撃する」と述べ、イランのカーグ島やそのほかの石油インフラ拠点を「そう遠くない将来に」掌握すると警告していた。

ペルシャ湾の北に位置するカーグ島は、イランの主要な石油輸出拠点で、イランが輸出する石油の約9割がこの島を経由する。

トランプ氏は、アメリカは「ヴェネズエラに対して行ったのとほぼ同じように」、石油・ガス市場を「完全に掌握する」つもりだとも投稿した。

これに対しイラン軍は、さらなる攻撃があれば「これまで以上に厳しい」報復を行うと警告した。

同軍は声明で、「最近のアメリカによるイランの石油インフラに対する脅威を考えると、石油・ガスの輸出はすべての人に開放されるか、さもなければ誰にも認められなくなるかのどちらかだ」と述べた。

イランのモハマド・バゲル・ガリバフ首席交渉官も、「誤った戦略と衝動的な決定は(中略)何年も抜け出せない、終わりのない泥沼を生むことになる」と述べた。

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米中央軍はその後、イラン南部の軍事施設、監視レーダー施設を標的とした一連の空爆を完了したと発表した。

イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、バーレーン、クウェート、ヨルダンにある米軍関連施設を攻撃したと発表した。バーレーン当局によると、イランのドローン攻撃で11歳の少女1人が負傷し、複数の住宅や車両が損傷した。

ヨルダンは、イランのミサイル約20発を撃墜したと発表。クウェート軍は、「敵対的な空中目標」に対処したと明らかにした。

こうした中インドは、米軍がオマーン湾で石油タンカーを攻撃し、インド人船員3人が死亡し、船員21人が救助されたことを受け、米外交官を呼び出した。アメリカは、当該タンカーについて、イラン港湾を出入りする船舶に対するアメリカの海上封鎖に違反していたと非難している。

米軍はこれまでに計9隻の船舶を攻撃している。うち3隻への攻撃は今週行われた。海上封鎖は、イラン港湾への船舶の出入りを止めることで、イラン政府が石油輸出による収益を得られないようにするためのもの。

直近の攻撃を受け、各国から事態の沈静化を求める声が上がった。国連のアントニオ・グテーレス事務総長の報道官は11日、グテーレス氏が「中東で続く事態激化を深く懸念している」と述べた。

「(グテーレス氏は)当事国に対し、停戦の完全な履行に戻り、これ以上の事態悪化を避けるよう求めている」

パキスタン、ロシア、中国、トルコ、インド、サウジアラビアも、事態の沈静化を求めた。

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