落下寸前の観測衛星「スウィフト」救出ミッション、成功せず

高度を失いつつある観測衛星「スウィフト」を描いたイラスト/NASA Goddard Space Flight Center

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)と米アリゾナ州に拠点を置くカタリスト・スペース・テクノロジーズは19日、地球に落下しつつあるNASAの宇宙観測衛星の軌道を引き上げるため先月打ち上げられたロボット衛星「LINK」が救出ミッションを実行しないことを明らかにした。

NASAが約22年前に打ち上げたニール・ゲーレルス・スウィフト観測衛星(以下スウィフト)は着実に高度を失っており、地球の大気圏に再突入する危険がある。この観測衛星を救うためにカタリストが設計したのがLINKだったが、7月下旬、問題に見舞われ始めた。7月3日の打ち上げからわずか数週間後、LINKは回転を始め制御不能に陥ったのだ。

当初、同社は対処に時間をとられたため、LINKとスウィフトのランデブー(接近)が1カ月ほど遅れることを認めていたが、衛星の制御を取り戻すことには成功しており、遅延がミッションの妨げになるとはみられていなかった。

ところが、NASAとカタリストは19日、「姿勢制御の問題が続いているため」、LINKのミッションではスウィフトを捕捉してより高い軌道へ引き上げることはしないと発表した。

NASAによると、スウィフトは年内に地球の大気圏で燃え尽きる可能性が高く、その時点で科学ミッションを終えることになる。

それでもミッションチームは、LINKをスウィフトにランデブーさせる計画を進めている。その目的は救出ではなく実証試験だ。

当初、LINKはスウィフトを調査し、この観測衛星をつかむのに最適な箇所を特定する想定だった。予定されているランデブーの一環としてこの手順が実施される可能性が高い。試験がいつ行われるのかは現時点で明らかになっていない。

スウィフトは宇宙空間で整備を受けることは想定されていなかったため、この実証試験で得られる知見は今後のミッションに活用できる可能性がある。

後継となる観測衛星が決まっていないスウィフトは、22年近く前の打ち上げ以来、地球低軌道で天体物理学の多目的ツールとして機能し、素早く向きを変えて宇宙で起きる事象や天体を観測してきた。

しかしNASAは、太陽活動で強まった大気抵抗の作用によってスウィフトが地球上空約300キロの最適高度を下回れば、地球大気圏に再突入すると予測するようになった。

カタリストはLINKの設計、製造、試験、打ち上げまでを9カ月で成し遂げた。

LINKはノースロップ・グラマンのロケット「ペガサスXL」で7月3日に打ち上げられた。カタリストの航空機下部に取り付けられているのが同ロケット/Ron Beard/NASA

衛星の打ち上げ前、スウィフトとLINKのチームメンバーは、観測衛星の軌道を引き上げるまでには、ミッション失敗につながりかねない多くのリスクがあることを認めていた。

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