「男友達がほしい」58歳男性が向かった“友達づくりイベント” 米国で深刻化する孤独

孤独が社会問題となる米国。特に中年以降、離婚、死別、子供の独立などによって、パートナーや身近な家族すらいなくなり、他人との関わりがほぼなくなってしまう人も多い。そんな人々のために「友達づくりイベント」も企画されるが、「大人になってから友達を作ること」の難しさが立ちはだかる。 【画像】勇気を出して「友達づくり」のためのイベントに参加した58歳男性 米紙「ワシントン・ポスト」が、当事者たちの葛藤と試行錯誤を取材した。 ジョン・デカルブが若かった頃、友達を作るのは簡単だった。遊び場でほかの子供に近づいたり、教室で隣に座ったりすれば、それだけで、いつの間にか本当の友達ができた。 その後は、妻が自分の女友達の夫たちを紹介してくれ、夫婦同士で付き合うようになった。 だが、いまやデカルブは58歳。離婚し、16歳になる娘は自分の車を手に入れた。週末は丸ごと自分の時間となったが、多くの米国人男性と同じように、その時間を一緒に過ごせる友達がほとんどいなかった。 娘からは、もっと人と付き合うよう勧められている。セラピストからも、人には誰でもつながりが必要だと言われる。だが、友達を作ることは昔ほど簡単ではないと思う。 そこで春の終わりのある晩、デカルブは郊外を車で走り、友達づくりの交流会「スピード・フレンディング」に向かった。パドルボードやピックルボールを一緒に楽しめる仲間が何人か見つかるかもしれないと期待していた。

オレゴン州ウェストリン公立図書館の外に車を止めたとき、デカルブは不安を感じていた。 それでも、進行がきちんと決まった集まりという点はいいと思った。カクテルパーティーだと、自由すぎていけない。だがその晩は、参加者1人につき1分ずつ話し、気が合う人がいれば連絡先を交換して、あとから友人関係を築いていけばいいのだ。 その日に集まった24人ほどの大半はデカルブと同年代だったが、顔ぶれは実にさまざまだった。 フロリダから来たばかりの離婚経験者の女性は、男性とは誰とも話さないと宣言した。 余暇には劇場へ通うという70歳の男性の隣には、ヘアメタルのバンドが大好きだという若い女性が座った。 部屋の奥では、錠前師が元重機作業員と話していた。この元作業員は前回、スピード・フレンディングに申し込んだものの土壇場で参加をやめ、今回も犬と家にいるほうが安心だと思って、危うく来るのをやめるところだったという。 主催者のジョー・ベッカーは、自分も友達が欲しかったからこのイベントを始めたのだと参加者たちに話した。 「みんな同じ目的でここに来ています」とベッカーは言った。 「新しい人と出会って、つながりを作るのは気まずいものです。みんな忙しいし、誰もが中年期の何らかの転機を迎えています。この会の目的は、前向きな気持ちで人と過ごし、もしかしたら新しい友情が生まれるかもしれないきっかけを作ることです」

クーリエ・ジャポン
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