ポンド安に備えるオプショントレーダー、さらに8%下落を想定

Vassilis Karamanis、Alice Atkins

  • 1.20ドル割り込んだ場合にペイアウト発生するオプションに強い需要
  • 2年強ぶり安値となる1.12ドルを下回ると予想するトレーダーも

オプション市場のトレーダーは、ポンドが最大でさらに8%下落する可能性に備えている。先週の英金融市場全体で売りを招いた同国の財政問題がポンドを圧迫している。

  ポンドが10日のレートを約2%下回る1ポンド=1.20ドルを割り込んだ場合にペイアウトが発生するオプションの需要がかなりあることが、米証券保管振替機関(DTCC)のデータで分かった。ポンドが2年強ぶり安値となる1.12ドルを下回ると予想するトレーダーもいる。

  ポンドは先週、先進国通貨で最悪のパフォーマンスとなった。トランプ次期米大統領の政策や高止まりするインフレ、高水準の債務を巡る懸念が世界的な売りを招き、英資産は混乱の震源地となった。景気てこ入れに向けた利下げの必要性を市場は過小評価しており、これがポンドの圧迫要因となる可能性もあると投資家はみている。

Vanilla put options with $1.15 and $1.12 strikes met fresh demand

Source: DTCC, Bloomberg

  カンドリアムのファンドマネジャー、ジェイミー・ニーブン氏は「イングランド銀行(英中央銀行)の利下げの織り込みが極めて限られている一方、財政懸念はポンドにとってマイナスだ」と指摘した。

  13日の外為市場でポンドは一時0.5%安の1.2145ドルと、2023年11月以来の安値を付けた。

Pound options volumes surge as UK assets sell off

Source: DTCC, Bloomberg

原題:Pound Traders Are Ready for Another 8% Slump After Selloff (1)(抜粋)

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