1月雇用統計で落ち着くか不安増幅か=今週の米株式市場
[ニューヨーク 31日 ロイター] - 1月最終週のハイテク株に対する強烈な売りで動揺した米株式投資家は、2月7日に発表される1月雇用統計を注視するだろう。
1月の非農業部門雇用者数は、借り入れコスト増大にもかかわらず労働市場が依然として浮力を保っているかどうかを探る重要な手がかりになる。
ただ米連邦準備理事会(FRB)が直近の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利据え置きを決めた際に、物価上昇率がなお目標の2%より高いと指摘。雇用統計で経済の過熱が示唆されれば、トランプ政権の貿易・移民政策を背景とするインフレ懸念がさらに拡大するのではないかとも警戒されている。
12月雇用統計が非常に強い内容だったため、1月前半にはFRBの利下げペースが緩むとの観測から株安に振れる場面があった。
ヌビーンの債券戦略責任者を務めるトニー・ロドリゲス氏は「今回の雇用統計は、米国の労働市場が引き続きしっかりしているが、サービス部門に物価上昇圧力が波及しないような軌道を進んでいるかどうかを判断する上で鍵を握るだろう」と述べた。
1月最終週の株価急落は、中国の人工知能(AI)新興企業ディープシークが低コストで高性能のモデルを発表したことで、米国の大手IT銘柄が過大評価されているとの不安が増幅したのがきっかけだった。その後株価はやや戻したものの、こうした売りは米経済に対する楽観的な見方に冷や水を浴びせた。
ネーションワイドのチーフ市場ストラテジスト、マーク・ハケット氏は「AI関連のニュースやトランプ政権の政策、FOMC結果、幾つかの企業収益など一連の材料で投資家は混乱に見舞われている。大手ハイテク部門への不安ムードは、このセクターのリスク/リワードのバランスが限界に達し、売りに反応しやすくなっているというさらなる証拠を提示した」とノートに記した。
The line chart shows the fall of Nvidia compared to Nasdaq index as DeepSeek triggers an AI market downturn私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
Davide Barbuscia covers macro investment and trading out of New York, with a focus on fixed income markets. Previously based in Dubai, where he was Reuters Chief Economics Correspondent for the Gulf region, he has written on a broad range of topics including Saudi Arabia’s efforts to diversify away from oil, Lebanon’s financial crisis, as well as scoops on corporate and sovereign debt deals and restructuring situations. Before joining Reuters in 2016 he worked as a journalist at Debtwire in London and had a stint in Johannesburg.