ゴールドマン、株式トレーディング収入が四半期ベースの過去最高

ゴールドマン・サックス・グループの1-3月(第1四半期)は、株式トレーディング収入が四半期ベースで過去最高を記録した。新たな貿易戦争の始まりをにらむ市場のボラティリティーが追い風となった。

  14日の決算発表によると、第1四半期の株式トレーディング収入は前年同期比27%増の41億9000万ドル(約6000億円)に達した。

  先週決算を発表したJPモルガン・チェースモルガン・スタンレーも第1四半期の株式トレーディング業務が好調だった。

  デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は発表資料で「4-6月(第2四半期)は年初とは著しく異なる事業環境の中で迎えることになるが、引き続き顧客をサポートする能力に自信を持っている」とコメントした。

  決算発表を受け、14日の米株式市場でゴールドマンの株価は一時3.6%上昇した。  

  ただ、市場の不安定が顧客による大型の合併や資金調達の意欲を妨げているため、ディールメーキングは依然として低調だ。ゴールドマンの投資銀行業務による収入は19億1000万ドルと、前年から8%減少した。

  助言業務と株式引き受け業務からの収入は共に予想を下回ったが、債券引き受けは予想を上回った。

  発表によると、大型案件が依然として少ないにもかかわらず、同行の投資銀行業務の手数料未処理残高は四半期ごとに増加している。多くの案件が保留されているものの中止されたわけではないという、モルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOの11日の発言を裏付けるものだ。

  ゴールドマンの1-3月期総収入は151億ドルで、アナリスト予想の148億ドルを上回った。1株当たり利益(14.12ドル)もアナリスト予想を超えた。

  債券トレーディング収入は44億ドルと、予測を若干下回ったものの、依然として同社史上最高水準の四半期収入を上げた。

  第1四半期の自己資本利益率は16.9%と予想以上だった。

  資産運用・ウェルスマネジメント事業の収入は36億8000万ドルと、アナリスト予想の38億4000万ドルに届かなかった。

  ゴールドマンは、現在3兆1700億ドルを運用する同部門の拡大を図っており、その一環として個人投資家を対象としたプライベートエクイティー(PE)ファンドを設定している。

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  同社は決算発表に際して最大400億ドルの自社株買いも発表した。

原題:Goldman’s Stock Traders Ride Volatility to Record Quarter (2)(抜粋)

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