日産、4━9月期は営業赤字1800億円見込む 通期の損益予想なお未定
4ー6月期は米国関税の影響が営業損益を687億円押し下げた。販売台数は前年同期比10.1%減の70万7000台。日本が同11.1%減、北米が2.4%減だったほか、中国が27.5%落ち込んだ。純損益は1157億円の赤字(前年同期は285億円の黒字)だった。固定資産の価値を見直し、減損損失406億円を計上した。
7─9月期の自動車事業のフリーキャッシュフローはマイナス3500億円を想定しているが、会見に同席したジェレミー・パパン最高財務責任者(CFO)は「下期にはプラスに転じる見込み」と説明した。
通期の業績見通しは、5月に公表した売上高12兆5000億円を変更しなかった。営業損益、純損益、自動車事業のキャッシュフローは市場環境と関税影響などによる不透明感が続いているとして未定のままとした。
IBESがまとめたアナリスト16人による通期営業損益の予想平均値は1152億円の赤字。アナリスト15人による純損益の予想平均値は2368億円の赤字となっている。
<今期の関税影響3000億円に減額>
通期で最大4500億円とみていた米国関税による影響は、3000億円に減額した。日米両政府が税率を27.5%から15%へ引き下げることで合意したため見直した。
エスピノーサ社長は日米の合意を歓迎しつつ、税率変更の日程が「はっきりしていない。8月1日という話もあるが確認できていない」と話した。また、15%になっても「厳しい」状況に変わりはなく、「構成部品の改善や価格改定もしていかなければならない」とした。
日産の場合、年間で日本から約12万台、メキシコから約30万台を米国に輸出している。このためエスピノーサ社長は、今後は「メキシコから米国への関税がどうなるか知りたい、向こう数週間で決めてほしい」とも述べた。
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