15兆ドルの時価総額増けん引した巨大ハイテク、利益の伸び継続なるか

米巨大ハイテク企業の決算発表が再び近づいている。株価が最高値付近にあり、バリュエーションが伸長する中での発表だ。今回の決算で注目すべき重要な点の一つは、そうしたハイテク企業の利益が約2年ぶりの低い伸びになると予想されていることだ。

  リスクオンの地合いと人工知能(AI)関連サービスの開発に向けた大規模投資への高い期待を背景に、アルファベットメタ・プラットフォームズなど巨大ハイテク企業の株価は年初から上昇。市場全体をアウトパフォームしている。

  だが今週始まる決算シーズンは、株式の強気筋にとって厳しいものになるかもしれない。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる巨大ハイテク企業の利益は拡大が続き、そのペースは他の業界を大きく上回っているものの、ウォール街は、これまでの四半期と比較して成長が顕著に鈍化すると予想している。これはつまり、2022年末以降にナスダック100指数における約15兆ドル(約2340兆円)の時価総額増加をけん引してきたそれら巨大ハイテク企業に対する圧力が強まってきているということだ。

  マン・ニューメリックのダン・テイラー最高投資責任者(CIO)は、「かなり良好な決算シーズンになるはずだが、ハードルは上がっており、高い期待に応えられない可能性がある」と分析。「前年と同じような業績を上げるのは非常に難しくなるだろう。バリュエーションが高まっている状況を考えればなおさらだ」と述べた。

Source: Bloomberg Intelligence

  マグニフィセント・セブンの決算発表は29日から始まる。同日にはマイクロソフトとメタ、テスラが発表を予定。翌30日にはアップル、来週はアルファベットとアマゾン・ドット・コムが発表する。エヌビディアは2月26日を予定している。

  2年余り前に始まった米国株の強気相場において、ハイテク業界の極めて高い利益成長とAIを巡る熱狂は上昇の主要な原動力となってきた。その期間、大型ハイテク株はS&P500種株価指数の約70%上昇の大部分を占めたが、利益減速の予想やAI投資がより有意な効果を生むのはいつになるのかといった疑問を背景に、株価の上昇ペースは鈍化している。

  ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによると、マグニフィセント・セブンの10-12月利益は前年同期比22%増と、2023年1-3月以降で最も小さな伸びとなる見込みだ。S&P500種全体として見込まれる8%増はなお大きく上回るが、24年1-3月の51%増から伸びは鈍化し、4四半期連続での減速となる見通し。

原題:Tech’s $15 Trillion Rally Hinges on High-Stakes Earnings Stretch(抜粋)

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