ドル/円は中銀会合で上下動、米「タカ派利下げ」警戒=来週の外為市場

 12月13日 来週の外為市場でドル/円は、年内最後の重大イベントである日米中銀会合で大きく上下する展開が予想される。写真は2016年1月撮影(2024年 ロイター/Jason Lee)

[東京 13日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、年内最後の重大イベントである日米中銀会合で大きく上下する展開が予想される。米国では利下げが広く予想されているものの、インフレを懸念するタカ派的な姿勢がにじめばドルが上昇する可能性もあるという。日銀は金利据え置き見通しが優勢だが、利上げ観測も依然くすぶり予断を許さない情勢だ。

予想レンジはドルが149━154円、ユーロが1.03―1.06ドル。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の焦点は今後の利下げペース。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見などでタカ派的な発言があれば、今後の利下げ見通しに対する不透明感が強まり、現在のドル高トレンドを支える要因となり得る。

IG証券の石川順一・シニアマーケットアナリストは、12月の利下げはほぼ織り込まれているものの「FRBはインフレの再燃に警戒感を強めている」点に着目。日銀の利上げ見送り観測もあり、ドルは「153円台へしっかり上昇してくるかが目先の焦点」だとしている。

日銀金融政策決定会合は利上げ見送り予想が主流だが、金利先物市場は依然として2割程度、利上げを織り込んだ状態にある。今会合で利上げを見送っても「2025年の利上げの道筋をどう表現するのか」(三菱UFJ信託銀行の酒井基成・資金為替部マーケット営業課課長)が注目される。

日米中銀会合を受けてドル/円が下落しても、来年のトランプ米次期大統領の就任などを控えて米金利は高止まりが続き、ドルの下値は限定的になるとの見方も根強い。「米金利はそこまで下がらない。日米の金利差が開いている状態は続く」(酒井氏)ためだ。

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