「助けて助けて助けて」「既読だけでも」消費者金融に追われた高野健一被告が「最上あい」に送っていた“返済懇願LINE”…450万円の貯金が底を突いた「度重なる無心」【高田馬場刺殺・公判】

女性ライバー“最上あい”(Xより)と高野健一被告(時事通信フォト)

 東京都新宿区の路上で2025年3月、ライブ配信をしていた佐藤愛里さん(当時22)を刺殺したとして、殺人罪などで起訴されている高野健一被告(44)。東京地裁で開かれていた公判は、検察官が懲役20年を求刑して結審した。

 佐藤さんは「最上あい」名義でスマホ配信アプリで配信活動をしていた。高野被告はそのリスナーで、直接の連絡先を交換するなど、関係性は良好に思われた2人。しかし出会いから半年強、佐藤さんが高野被告に「私に会いたい?」と尋ねてから、関係が急速に悪化していく。

 両者に何があったのか。裁判で明らかになったLINEのやり取りなどを中心に、裁判を傍聴していたライターの普通氏が詳報する。【前後編の後編。前編から読む】

 2022年8月、佐藤さんが「私に会いたい?」とメッセージを送る。実はこの以前にも、佐藤さんと会うチャンスはあったが、高野被告に踏ん切りがつかなかった。「会ったら嫌われるんじゃないか」という思いがあったようだ。しかし、メッセージや通話を半年以上交わすなかで、会いたい思いが勝った。

 佐藤さんは山形県のキャバクラ店で働いていた。高野被告は当時、栃木県に住んでいたが、それでも向かった。結局4回出向いて、店舗で合計77万円を費やした。現地までの交通費、宿泊費、佐藤さんへのプレゼント代金、食事代などもかさんだ。

 後に高野被告が供述する通り、この費消は自らが納得して払ったもので、事件の心情とは直接的には関係がないのかもしれない。しかし、間違いなく歯車は悪い方に進み始めていた。

 初めて佐藤さんとキャバクラ店で対面したのちの9月8日、佐藤さんから連絡が入る。

「ホント申し訳ないんだけど、日雇い先にカバン忘れちゃって、ちょい貸してもらえる? 明日、明後日には取りに行けるから」

 高野被告は4万円を佐藤さんに振り込む。

 その後、「スマートフォンが止まる」「キャバクラで無理やりシャンパン入れさせられた」など、様々な理由で金を要求された。佐藤さんは、緊急性を高めるように、風俗店勤務の可能性や、暴力を受ける恐れが絡んでいるなどを匂わすこともあった。

 高野被告も「俺と愛里の仲やろ」「また足りなくなったら言ってな」「愛里の力になりたいから大丈夫」などと疑う様子もない。

 また、筆者がメモできた範囲において、佐藤さんからのメッセージは、2回目の無心から「返す」という意味合いの記載を一切していなかったように思う。さらに、無心する際は懇願するような態度を見せるも、高野被告が貸す姿勢を見せると「早めのほうが助かる」、振り込み額が1日の限度額を超えたあとには「他の通帳からはいける?」などのメッセージを送っていた。

 そして、初めて金銭を貸してから20日強しか経たない間に、合計で11回、金額合計150万強の金銭を貸すことになる。それまでの投げ銭、キャバクラなども含め、元々あった約450万円の貯金はほとんどなくなっていた。

 それでも金の無心はまだ続く。

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