レッドブル、F1日本GP前に緊急会合へ─鈴鹿を走るのはローソンか角田か、それとも…? 迫る運命の決断
角田裕毅はどのチームから鈴鹿サーキットでのレースに臨むのか――。2025年FIA-F1世界選手権第3戦日本GPを前に、レッドブルが英国ミルトンキーンズの本拠地で、現状の打開策を話し合う会合を予定していることが明らかとなった。
中国GP後にチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、日本GPまでの間にリアム・ローソンの今後について判断する可能性を示唆しており、即時交代の可能性も否定していない。
複数の欧州専門メディアが、次戦日本GPを前にしたローソンと角田の交代の可能性を報じている。ローソンは開幕2戦連続で予選最下位に終わり、中国GPではピットスタートから15位完走。決勝でのパフォーマンスも奮わず、チームは現状に危機感を募らせており、日本GPを前に対策を話し合う。
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは中国GPを終えて、ドイツ「Sky Sports」に対し、「今週、ミルトンキーンズで会合を予定している。どのように、そしていつこの遅れを挽回するかが議題だ」と説明した。
また、現在の状況を「懸念している」と認める一方、「まだ白旗を上げたわけではない」とも述べた。
パドックの噂では、この会合は3月27日(木)に行われるという。
交代の可能性を除外しないホーナー
ホーナーは中国GP後、現時点で決定はなされていないとしながらも、次戦までの間にチームとして今後のドライバー体制を見極める方針を仄めかした。
イギリスの「Autosport」によると、日本GPを前にした角田のレッドブル昇格の可能性について問われた際、ホーナーは「パドックには常に噂がつきものだ。今はレースが終わったばかりだ」「具体的に何かが決まっているわけではない」として直接的な回答を避けつつも、「データを持ち帰って、しっかりと精査するつもりだ」と語った。
マックス・フェルスタッペンは現在36ポイントを獲得してランキング2位につけているが、ローソンは未だに無得点だ。
一方、角田は3ポイントでランキング13位ながらも、戦略ミスとマシントラブルにより潜在的に20ポイント近くを失っており、それがなければランキング5位につけていた可能性もある。
苦境ローソンの自覚、配慮をにじませるホーナー
ローソンについてホーナーは、「彼はまだ若い。我々には彼を守る責任があるし、できる限り支援していく。リアムが依然として能力のあるドライバーであることは分かっている。だが、今はその力を発揮できていないだけだ」と語り、配慮をにじませた。
「彼にとって問題なのは、ここ2戦が本当に厳しかったことだ。多くのメディアが彼にプレッシャーをかけているし、この世界では自然と圧力が増していく。彼が気の毒でならない」とも述べている。
ローソン本人も「正直、かなり苦しい状況だ。楽しめてはいないけど、何とか慣れようと必死で努力している」と心境を吐露しつつ、「でも僕もバカじゃない。パフォーマンスを発揮できなければ、ここにいられないことは分かってる。だから、クルマにできるだけ早く慣れることに集中している」と語った。
次戦日本GPを前に交代が決定される可能性が報じられているが、もう1戦チャンスが与えられる可能性も十分にあるといえる。
日本GPの舞台である鈴鹿サーキットは、ローソンにとって馴染みのあるコースであるため、“最後のチャンス”と位置づけられる可能性がある。鈴鹿に至ってなおパフォーマンスが改善されなければ、即時交代の決断が下される可能性はさらに一段階、高まることになる。
後任候補としては、現在レーシング・ブルズで安定した走りを見せている角田との交代のほか、その同僚であるアイザック・ハジャーの昇格、さらには2025年のレギュラーシートを持たないベテラン勢の起用などの可能性も考えられる。
角田は上海で、ローソンに代わってレッドブルのシートに座る準備が「100%できている」と語り、必要であれば次戦日本GPからの昇格にも前向きな姿勢を示している。
一方、角田にシートを奪われる可能性について問われたローソンは、「別に気にしてない。彼が何を言おうと自由だし、ジュニアカテゴリでもF1でも僕は彼を打ち負かしてきた」と語り、自身の立場を主張したが、現実的には厳しい局面に立たされている。
注目集まる日本GP―決断のとき迫るレッドブル
中国GPのリザルトと現状を踏まえ、レッドブルは次戦日本GPに向けてどのような決断を下すのか。鈴鹿のグリッドに誰が並ぶのかに注目が集まる。
ただし、それとは別に、もしローソンの後任として鈴鹿に向けて角田に白羽の矢が立った場合、それが彼自身のキャリアにとって最良のタイミング、選択肢なのかどうかについては、慎重な判断が求められるだろう。