2025年春に発売とのウワサ! トヨタ新型「クラウン・エステート」のリアシートは快適? 居住性が気になる“新種のクラウン”後席の快適性は?
個性豊かな4モデルがラインナップされるトヨタ現行「クラウン」シリーズ。その中で未発売なのが、SUVとステーションワゴンの魅力を“いいとこ取り”した新発想のモデルである新型「クラウン・エステート」です。
ここへきて一部メディアでは、その発売が2025年春で調整中との情報も。そこで本記事では、さまざまな事情で発売が延期されている新型「クラウン・エステート」のリアシート回りをチェックします。
初代「クラウン」が誕生したのは1955年のこと。つまり2025年は70周年という「クラウン」シリーズにとって記念すべき年です。
そんな初代は、第二次世界大戦の直後、まだ物資が乏しく、トヨタ自体も技術やノウハウが不足している時代に開発がスタートしました。それだけに開発は難航しましたが、開発陣は努力と創意工夫によってそれを乗り越え、見事、日本車初の“100%国産“を達成した初代「クラウン」を世に送り出します。
こうした初代誕生の背景から、歴代「クラウン」には“革新と挑戦”というDNAが息づいていたようです。そのことを見せつけてくれたのが、16代目となる現行シリーズです。
2022年7月に発表された16代目は意欲的な開発を実施。保守的なセダンというイメージが強かった「クラウン」のイメージを見事に打ち破ってみせました。
その最大の理由は、現行「クラウン」のラインナップでしょう。先陣を切って登場したリフトアップセダンの「クラウン・クロスオーバー」、王道の「クラウン・セダン」、新種のクーペSUV「クラウン・スポーツ」、そして、ステーションワゴンとSUVの魅力を融合した「クラウン・エステート」という4モデルで“クラウン群”を形成。多様化が著しいマーケットのニーズに対応すべく誕生しました。
そんな現行シリーズで唯一、未発売なのが、新型「クラウン・エステート」です。トヨタ自動車が「洗練と余裕の大人の雰囲気を併せ持ち、リアのフルフラットデッキとともに、機能的なSUVとしてアクティブライフを楽しめるモデル」と説明するこのモデルが掲げる開発コンセプトは“アクティブキャビン”。仕事にも遊びにも一生懸命なユーザーが満足できるクルマを目指したといいます。
新型「クラウン・エステート」で魅力的なのがリアキャビンのフルフラットデッキで、リアシートの背もたれ倒し、背もたれ背後に格納されているボードを展開すると、リアゲートからフロントシートの背もたれまで2m超えのフラットなスペースが出現します。
このスペースには、長尺のサーフボード、ゴルフのキャディバッグ、そして自転車やキャンプ道具といったかさばるアウトドアギアを気軽に積み込むことが可能。車中泊も快適に楽しめそうです。
そんなフルフラットデッキの前方にあるコックピットは、他の現行「クラウン」と同様のテイストでまとめられています。
ディスプレイやシフトセレクターといった機能部品を可能な限り集約し、それらを島のように配置する“アイランドアーキテクチャー”コンセプトを採用。さらに、メーターやディスプレイを水平のゾーンにまとめてドライバーの視線移動を最小限に抑えるなど、ドライビングの楽しさを満喫できるスペースに仕立てています。
またユニークなのは、運転席側はドライビングに集中できるようにブラックで統一する一方、助手席側は同乗者がくつろげるよう運転席側とは異なる素材と配色にしている点。運転席側と助手席側とで素材使いやカラーリングを変えることで、それぞれの乗員にふさわしい空間を提供してくれます。
ロングドライブの快適性を左右するパワートレインは、HEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)の2種類で、駆動方式はいずれも4WDとしています。
現在にところ詳細なスペックは未好評ですが、同様の設定となる「クラウン・スポーツ」を踏まえると、HEVは、2.5リッターエンジン(186ps/221Nm)に119.6ps/202Nmのフロントモーターと54.4ps/121Nmのリアモーターの組み合わせ、PHEVは、2.5リッターエンジン(177ps/219Nm)に182ps/270Nmのフロントモーターと54.4ps/121Nmを発生するリアモーターの組み合わせとなるでしょう。
●リアシート乗員のための快適装備が充実
21インチのタイヤ&ホイールを履く新型「クラウン・エステート」のボディサイズ(いずれも開発目標値)は、全長4930mm、全幅1880mm、全高1620mm、ホイールベース2850mmというもの。
これは「クラウン・クロスオーバー」より40mmワイドで、80mm背が高い数値ですが、この堂々としたボディサイズもあって、新型「クラウン・エステート」はゆとりあるキャビンを獲得しています。
なかでも驚かされるのが、リアシートの広さです。実際に乗り込んでみると、広大な足下スペースに驚かされます。
身長170cmのドライバーが運転席に座わり、きちんとした運転姿勢をとると、リアシート乗員のヒザ前にはコブシ4個以上のスペースが確保されています。そのため大人でも足を組んで座ることができます。
また、フロントシート下につま先を収められるよう配慮されているので、後席乗員はリラックスした姿勢をとり、くつろいだ状態で移動することができます。
加えて、助手席のスライド&リクライニング調整用スイッチが助手席背もたれの側面に備わっており、後席からでも操作が可能。そのため、左側後席の乗員は座ったまま、足下スペースを拡大することができるのです。
さらに、リアシートの頭上空間はコブシ2個以上のスペースが確保されており、大きなサイドウインドウも相まって開放感は抜群。「クラウン・クロスオーバー」比で80mm高くなった全高も、こうしたゆとりにつながっています。
また見逃せないのが、センターコンソールの背後にリアシート用のエアコン吹き出し口とUSB-Cソケット、そして1500WのAC100Vソケットが備わること。上級グレードには後席シートヒーターが備わるなど、リアシート乗員のための快適装備が充実しています。
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新型「クラウン・エステート」のリアシートは広々としていて開放的。ロングドライブも快適そうです。ステーションワゴンとSUVの美点を“いいとこ取り”した意欲作は、後席乗員にも優しいモデルといえそうです。