英国債とポンド下げ拡大へ、10年債利回り年内5%台に-MLIV調査
- 回答者の51%が6月末までに1ポンド=1.20-1.15ドルに下落と予測
- 年明けの英国債利回り上昇、58%が英政府に要因と回答
市場の混乱に翻弄された英国政府は、投資家の信頼回復に引き続き苦闘しそうだ。英国債とポンドは、下げをさらに拡大する見通しが強まっている。最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査で示された。
英国の政府債務とインフレの見通しに対する懸念が高まる中、年明け早々に英国債とポンドは急落した。今週実施された市場関係者250人へのアンケート調査では、ポンドが6月末までに1.20ドル-1.15ドルに下落するとの予想が回答者の約51%に上った。実現すれば、ポンドは2年以上ぶりの安値となる。
We asked: Where do you see US and UK yields peaking this year?
Source: Bloomberg MLIV Pulse survey Jan. 14-16, with 250 respondents.
一方、回答者の70%が、英10年債利回りが年内に5%を超えると予測した。16日の4.7%を上回る水準だが、米国債の利回りに対する予想とほぼ一致している。
リーブス英財務相は、国債利回りの四半世紀ぶりの高水準や、株価やポンドの下落に見舞われたが、調査結果によると、苦難はまだ続きそうだ。市場の混乱を受けて、政府に懐疑的な人々は、リーブス氏の成長促進計画が軌道に乗るか、同氏が役割を全うできるかを疑問視している。
今年に入ってからの利回り上昇の要因が英国にあるのか、世界的な要因によるものなのかという問いには、58%が英国政府の責任と答えた。政府・中央銀行が状況を十分にコントロールできていると投資家を安心させることができない場合、英国の資産で最もぜい弱なのはポンドであるとし、45%がポンドの売りを推奨すると答えた。
We asked: Which UK asset would you choose to bet against if there is another selloff?
Source: Bloomberg MLIV Pulse survey Jan. 14-16, with 250 respondents.
年明けすぐの利回りの急上昇は、トラス政権(当時)の崩壊につながった2022年の国債危機と何度も比較された。同様の流動性ひっ迫の危機を避けるため、危機後に市場規制は変更されたものの、調査回答者の3分の1以上が、リーブス氏はトラス氏と同じ轍を踏みつつあるとの見方を示した。
ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのマクロ戦略グローバル責任者、マイケル・メットカーフ氏は「今年に入ってから、資産運用会社は英国債の保有を小幅に増やしているが、市場の混乱を受けてポンドのリスクヘッジを強化している」と述べた。また、「今のところポンドは、英国への懸念を反映する手段として使われている」と指摘した。
We asked: Is UK Chancellor of the Exchequer Rachel Reeves facing a "Liz Truss moment?"
Source: Bloomberg MLIV Pulse survey Jan. 14-16, with 250 respondents.
原題:Pound, Gilts Face More Losses in Headache for Reeves: MLIV Pulse(抜粋)