【速報】首都高美女木JCT6人死傷事故で、追突したトラック運転手が勤務していた運送会社の元社長を業務上過失致死傷容疑で書類送検-警視庁(2025年4月9日掲載)|日テレNEWS NNN
2025年4月9日 10:57
2024年5月埼玉・戸田市の首都高速美女木ジャンクション近くで、トラックが乗用車に突っ込み6人が死傷した事故で、警視庁は、追突したトラック運転手の勤務先だった会社の元社長の男性を書類送検しました。■6人死傷事故から約1年、運送会社元社長 書類送検この事故は2024年5月、埼玉・戸田市の首都高速5号池袋線下りの美女木ジャンクション付近で渋滞でとまっていた車に大型トラックが突っ込み、追突された乗用車などに乗っていた3人が死亡し3人がケガをしたものです。事故を巡っては、トラックを運転していた降籏紗京被告(29)が2024年12月に過失運転致死傷の罪で起訴されていますが、警視庁はきょう、降籏被告が当時勤めていた運送会社「マルハリ」の元社長で運行管理者だった男性(48)を業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。警視庁は、元社長が降籏被告から体調不良の報告を受けていて事故を起こす可能性があることを認識できたにもかかわらず、代わりの運転手を用意するなどの対応をとらなかったことが、元社長の過失にあたると判断したということです。元社長は任意の調べに対し「自らの管理が不適正だった。ずさんな運行管理をしていたことを悔やんでも悔やみきれない」と容疑を認めているということです。■38度の発熱報告も、点呼・代替運転手準備せず事故前日、降籏被告は38度以上の発熱をし「風邪気味で体調不良」と報告していましたが元社長は代わりの運転手を用意せず出発前に運行管理者が行うことを義務づけられている、点呼や体調確認を怠ったということです。降籏被告は当日も発熱していましたが、市販の薬を服用して運転し、警視庁の調べに対し事故当時について「戸田南から美女木まで4~5キロメートルあると思いますがそこから記憶がありません」と話していたということです。意識がもうろうとする中、渋滞で停車する乗用車に突っ込んだとみられています。■“ずさんな運行管理”会社書類から分かったこと事故を受けて警視庁はこれまでに、神奈川県にある営業所に家宅捜索に入り点呼記録や運転日報などを押収し、会社側の運行管理などについて捜査を進めてきました。運行管理には様々な規定があり安全な運行をする上で欠かせないものですが元社長を書類送検するにあたり他にもずさんな管理体制が明らかになっています。【拘束時間の超過】・連続運行が144時間超えの運転手も【点呼の未実施】・乗務前などに必ず行うものだが、100件中12件が未実施・点呼を実施した時間にはすでに運行を開始していた虚偽とみられるケースも【運行指示書の未作成】・長距離になる場合休憩場所や仮眠場所等の指示/記録をしなければならないが、「運行内容が分からなかったため作成できなかった」 として未作成【事故を起こしたことがある人への指導未実施】・降籏被告は過去に2度事故を起こしていて指導対象も指導は実施されず■運転手降籏被告「運転代わってもらえず」降籏被告は生活に困窮していて仕事を続ける必要があったため運行管理について言い出しにくい環境だったとみられています。降籏被告は調べに対し「本当に体調が悪かったため正直に申告したのに結局運転をかわってもらうことが出来なかった」とも話しているということです。
降籏被告の裁判は、今後開かれる見通しです。
最終更新日:2025年4月9日 11:45