米2月総合PMI、1年5カ月ぶり低水準 トランプ政策への懸念が重し

米S&Pグローバルが21日発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4と、前月の52.7から低下し、2023年9月以来の低水準となった。カリフォルニア州の港湾で4日撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 21日 ロイター] - 米S&Pグローバルが21日発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4と、前月の52.7から低下し、2023年9月以来の低水準となった。トランプ政権が掲げる関税措置と連邦政府の大規模な支出削減に対する懸念が重しになった。

S&Pグローバルは今回の調査を2月10─20日に実施。総合PMIの低下はサービス業の低下によるものだった。

サービス業PMIは49.7と、前月の52.9から低下。拡大と縮小の分岐点となる50を23年1月以来、約2年ぶりに下回った。ロイターがまとめたエコノミスト予想は53.0だった。

製造業PMIは51.6と、前月の51.2からやや上昇。ロイターがまとめたエコノミスト予想の51.5もやや上回った。8カ月ぶりの高水準となったものの、これは関税措置に関連するコスト増加や供給不足を見越した動きによるものとみられる。

総合PMIの構成指数では、投入価格が58.5と、前月の57.4から上昇した一方、販売価格は53.9と、前月の51.6から低下した。

新規受注指数は50.6と、前月の53.7から低下。雇用指数も49.4と、前月の54.0から低下した。

<FRB、当面は金利据え置きとの見方>

昨年11月の米大統領選で共和党のトランプ大統領が勝利を収めた後、規制緩和や減税のほか、インフレ低下への期待から、企業と消費者の信頼感は大きく上向いた。ただ、2月の総合PMI速報値が1年5カ月ぶりの低水準になったことで、トランプ政権の政策に対する不安が企業と消費者の間で高まっている可能性が示された。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「企業の間で、政府支出削減や関税措置から地政学的な展開に至るまで、トランプ政権の政策が及ぼす影響を巡る広範な懸念が出ている」と指摘。「政治を取り巻く情勢の変化による不確実性で売上高が影響を受けているほか、関税に関連する供給業者の値上げにより物価が上昇している」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)は昨年9月から12月にかけて3会合連続で合計1%ポイントの利下げを実施した後、今年1月の会合で政策金利を4.25─4.50%に据え置くと決定。19日に公表された同会合の議事要旨で、参加者全員が目標金利の据え置きが適切だと認識していたことが分かった。 もっと見る

サンタンデールUSキャピタル・マーケッツのチーフ米国エコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は、FRBは確実に金利を現行水準に当面は据え置く姿勢を強めると指摘。「トランプ大統領が関税措置の脅威による消費者心理の悪化に注意を払っているかが注目される」と述べた。

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