敵は自国。危機がやって来る:ジェミー・ダイモン

JP Morganのジェイミー・ダイモン氏は、世界の地政学と経済に「地殻変動」が起こっているとして、債券市場をはじめとした危機が到来するとの予想を述べている。

「大局を言うなら、地殻変動が起こっているということ。」

ダイモン氏はReagan National Economic Forumでのインタビューで、世界の現状について危機感を隠さなかった。 同氏が指摘したのは様々な地政学的な課題と世界経済の急変だ。 その中で見れば、関税の問題はほんの一部に過ぎないと言う。

ダイモン氏は、米国の対GDP比7%に迫る財政赤字について言及し、もしも景気後退に陥ればこれが10%に拡大すると警告した。

「中国は潜在的な敵国だ。・・・ 私が本当に心配するのは私たち自身だ。・・・ 今日このステージで聴かれたのは、国家・都市・年金などのおびただしい失策だ。

私たちを害するのはこっちだ。」

ダイモン氏はドルの基軸通貨としての地位についてよく尋ねられるという。 しかし、同氏はその質問は本質的でないと考えている。 ドルが基軸通貨でありえたのは米国が突出した軍事力と経済力を有したからであり、心配すべきはそちらの方だと示唆した。 ダイモン氏は世界の平和と民主主義にとっての西側諸国の同盟の重要性を説き、米国は同盟国が強くなるよう助けるべきと主張した。

同氏の西側軍事力への危機感は強く、台湾有事に言及し「ビットコインなんか買い集めるのではなく、銃・弾薬・戦車・ドローンを増強すべきだ」とまで述べている。

ダイモン氏は、内政についても利益団体の行動を「利己的」と批判し、いくつかの例を挙げつつ現状のやり方に苦言を呈している。

話題を米財政問題に戻され「債券自警団が戻ってきたのか」と尋ねられると、ダイモン氏は「そうだ」と答え「債券市場にヒビが入る」と予想した。

「経済史を紐解けば、地殻変動が起こる時にはよくないことが起こる。・・・ 6か月、6年のうちに危機が起こるのかどうかはわからない。

債務の軌道やマーケットメイカーの能力が変わることに望みをかけている。」

ダイモン氏は、危機が来る場合、資金調達が困難になる弱い層に打撃になることを心配する。

それが到来しつつある。・・・ 残念なことに、私たちが目を覚ますのにそれが必要なのかもしれない。

残念なことだ。

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