千日手含みで封じ手、藤井名人は打開なるか 名人戦第2局1日目終了
藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦し、藤井名人の先勝で迎えた第83期名人戦七番勝負の第2局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力)が29日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まり、午後6時半に永瀬九段が62手目を封じて1日目の対局を終えた。持ち時間各9時間のうち、消費時間は藤井名人4時間38分、永瀬九段3時間16分。
後手番の永瀬九段が8五歩と突かずに先手からの角交換を誘う工夫を見せ、後手陣は3三金―8四歩型の実戦例が少ない形になった。
Advertisement午後に入り、藤井名人が4六角(47手目)と好位置に角を設置すると、永瀬九段は飛車を左右に往復し、相手からの攻めを待つ姿勢に徹する。対する藤井名人が午後5時近くに5六銀(55手目)と2手前に引いた銀を元の位置に戻すと「千日手か?」と控室は沸き立った。
名人戦の対局規定では、1日目午後4時以降に千日手が成立した場合はその日は指し直さず、2日目に初手から指し直す。数手進んでも千日手模様が打開されないまま、封じ手時刻の午後6時半を迎えた。
解説の広瀬章人九段は「永瀬九段が見慣れない形で待機策を取り、お互い理想形や争点が分かりづらい戦いになっています。封じ手後の展開を一晩考えて、特に藤井名人がどう打開するかに注目しています」と話した。【丸山進、新土居仁昌】
指し手
[先]藤井 [後]永瀬
<1>2六歩 (2)3四歩
<3>7六歩 (4)8四歩
<5>2五歩 (6)3二金
<7>7八金1 (8)3三角
<9>同角成3 (10)同 金
<11>8八銀13 (12)6二銀
<13>3八銀 (14)6四歩1
<15>6八玉1 (16)6三銀2
<17>9六歩 (18)9四歩
<19>3六歩2 (20)2二銀1
<21>7七銀3 (22)7四歩1
<23>4六歩13 (24)7三桂2
<25>1六歩4 (26)1四歩1
<27>3七桂3 (28)4二玉1
<29>4七銀8 (30)8一飛1
<31>5六銀13 (32)6二金1
<33>4八金16 (34)3二金6
<35>2四歩1 (36)同 歩3
<37>同 飛 (38)2三銀
<39>2九飛 (40)2四歩
<41>6六歩1 (42)5四歩2
<43>7九玉3 (44)3三桂2
<45>4五歩15 (46)9二香30
<47>4六角49 (48)6一飛46
<49>8八玉64 (50)2一飛3
<51>8六銀18 (52)8一飛16
<53>6七銀13 (54)2一飛6
<55>5六銀13 (56)8一飛3
<57>2八飛1 (58)5三玉41
<59>4七金6 (60)4二玉2
<61>6七銀14 (62)封じ手25