千日手含みで封じ手、藤井名人は打開なるか 名人戦第2局1日目終了

第83期名人戦第2局1日目の対局を終えてお互いに一礼する藤井聡太名人(左)と挑戦者の永瀬拓矢九段=東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで2025年4月29日午後6時40分、手塚耕一郎撮影

 藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦し、藤井名人の先勝で迎えた第83期名人戦七番勝負の第2局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力)が29日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まり、午後6時半に永瀬九段が62手目を封じて1日目の対局を終えた。持ち時間各9時間のうち、消費時間は藤井名人4時間38分、永瀬九段3時間16分。

 後手番の永瀬九段が8五歩と突かずに先手からの角交換を誘う工夫を見せ、後手陣は3三金―8四歩型の実戦例が少ない形になった。

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 午後に入り、藤井名人が4六角(47手目)と好位置に角を設置すると、永瀬九段は飛車を左右に往復し、相手からの攻めを待つ姿勢に徹する。対する藤井名人が午後5時近くに5六銀(55手目)と2手前に引いた銀を元の位置に戻すと「千日手か?」と控室は沸き立った。

(第1日指了図・61手目先手6七銀まで)

 名人戦の対局規定では、1日目午後4時以降に千日手が成立した場合はその日は指し直さず、2日目に初手から指し直す。数手進んでも千日手模様が打開されないまま、封じ手時刻の午後6時半を迎えた。

 解説の広瀬章人九段は「永瀬九段が見慣れない形で待機策を取り、お互い理想形や争点が分かりづらい戦いになっています。封じ手後の展開を一晩考えて、特に藤井名人がどう打開するかに注目しています」と話した。【丸山進、新土居仁昌】

指し手

[先]藤井 [後]永瀬

<1>2六歩  (2)3四歩

<3>7六歩  (4)8四歩

<5>2五歩  (6)3二金

<7>7八金1 (8)3三角

<9>同角成3 (10)同 金

<11>8八銀13 (12)6二銀

<13>3八銀  (14)6四歩1

<15>6八玉1 (16)6三銀2

<17>9六歩  (18)9四歩

<19>3六歩2 (20)2二銀1

<21>7七銀3 (22)7四歩1

<23>4六歩13 (24)7三桂2

<25>1六歩4 (26)1四歩1

<27>3七桂3 (28)4二玉1

<29>4七銀8 (30)8一飛1

<31>5六銀13 (32)6二金1

<33>4八金16 (34)3二金6

<35>2四歩1 (36)同 歩3

<37>同 飛  (38)2三銀

<39>2九飛  (40)2四歩

<41>6六歩1 (42)5四歩2

<43>7九玉3 (44)3三桂2

<45>4五歩15 (46)9二香30

<47>4六角49 (48)6一飛46

<49>8八玉64 (50)2一飛3

<51>8六銀18 (52)8一飛16

<53>6七銀13 (54)2一飛6

<55>5六銀13 (56)8一飛3

<57>2八飛1 (58)5三玉41

<59>4七金6 (60)4二玉2

<61>6七銀14 (62)封じ手25

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