”下北沢の餃子の王将” って死ぬほどウマくないですか? そんな気がするので「きき王将選手権」を開催した結果 → 理由、なんと判明する

下北沢の餃子の王将って異様にウマくないですか? ”餃子の王将の味が店舗ごとに微妙に異なる” という事実について、私はずっと「フランチャイズが多いからだ」と思ってきた。しかし調べたところ実際は圧倒的に直営店が多く、問題の下北王将も直営店なのだそうだ。マジかよ。

では一体なぜ、なぜあれほどまでに、下北沢の王将はウマいというのか……!?

・ひとつの仮説

私がこれほど下北沢の王将を愛する理由として、考えられるものが2つある。1つは「シンプルに下北沢の王将の味がズバ抜けている」可能性

そしてもう1つは「思い出補正がギャンギャンにかかっている」可能性だ。下北沢といえばライブハウスが多い街として知られ、かつてロック少女だった私はロックお姉さんになった今も、下北沢へライブに来るたび、高確率で王将を利用している。

開場時間を心待ちにしながら友達とダベった数えきれないほどの思い出……それがスパイス的な役割を果たし、下北王将の味を「めっちゃウマい」と錯覚させているとも考えられなくないのではないか。

なお私が下北王将を訪れた際は50%くらいの確率で『天津炒飯』(税込814円)を注文する。あとは『揚げそば』か、アルコールを飲む際は『鶏の唐揚』『春巻き』あたりを攻める場合もある。不思議と餃子は滅多に注文しない。

天津炒飯に関してはもはや説明するまでもないが、個人的には「セットのスープのウマさが異常」と感じている。なんでこんなに味わい深いの? もちろん他店のスープもおいしいけれど、さすがにコレは別格すぎやしないか……?

・検証である

「そこんとこ、今日こそハッキリさせよう」と覚悟を決めた私は、下北沢店を含む3軒の餃子の王将で同じメニューを注文し、事務所へテイクアウトした。

購入したのは『餃子』(6個 / 税込356円)と『炒飯』(税込680円)。

見た目にはほとんど違いが分からないが、店ごとに餃子のレイアウトが微妙に異なる点が興味深い。

今回は “これらが全て王将のメニューであること・ならびに企画の趣旨” を全て伏せた状態で当編集部メンバーに食べていただき、「どれが一番好きか」を答えさせてみたいと思う。「全部王将だし、どれも同じ味じゃん」となったとすれば、それはそれで良し!

・え〜マジ? な展開

まず餃子好きかつチェーン店の炒飯ツウ(『チェーンのチャーハン行脚』を連載中)でもある羽鳥編集長から。

ここでハズしたら「下北沢の王将異様にウマい説」の根底が揺らぐことになる。お願いします、下北を選んでください……!

羽鳥「え〜と、まず炒飯からいくね。モグ……あぁ……全部明確に味が違うな。こっちが王将で、こっちは……なんだろう? 日高屋?

あっ、コレ「それぞれ別ブランドのメニューだ」という先入観を持っちゃってるヤツ……! ここでネタばらしをするわけにいかないので若干気まずいが、とはいえ “餃子の王将は店舗によって別ブランドかと錯覚するくらい味が違う” ことの証明にはなったといえるだろう。

羽鳥「餃子も全部違う。でも炒飯も餃子も、両方ぶっちぎりでコレ(王将B店)が一番おいしい。好き」

砂子間「(長い沈黙ののち)…………羽鳥さんの意見に引っ張られてコレ(王将B店)がおいしいような錯覚に陥るけど……まさか “違うとみせかけて実は全部一緒” っていうパターン……?」

お!?!? 鋭い! 別店舗だけど全部餃子の王将ではあるので、本記事の進みたい方向性とは異なるものの、正解といえば正解である。

砂子間「いや、待って……やっぱりよく見ると違うな? そもそも色が違うし、餃子の皮の厚さも違う気がする。どれが一番おいしいかは甲乙つけがたいけど、味が濃くてハッキリしているのはやっぱりコレ(王将B店)なのかな」

・ラストの大どんでん返し

オウフ……この時点で王将B店に2票が入り、下北王将に1位の可能性はなくなってしまった。当然っちゃ当然だが、チョッピリ切ない気持ち……。

ってことで最後は消化試合である。餃子を口にするや「京都王将っぽいね」と言い出した中澤記者。京都王将って何……? そう尋ねると「関西では餃子の王将のことを『京都王将』と呼ぶ」とのことだ(※ 中澤記者は大阪の出身です)。へぇ〜!

そこから静かに試食を終えた中澤記者はシンプルに一言、こう言った。

中澤コレ(下北沢の王将)が圧倒的においしい。他のと全然違う

ここでようやく「羽鳥さんと砂子間記者が選んだのは王将B店、中澤記者が選んだのが下北沢の王将だ」とネタバラシ。すると……

中澤「あ〜〜〜!!!!!! そういうことォ!?!?!?」

そこからの中澤記者はルンルンのニコニコであった。ライターでありつつバンドマンでもある中澤記者。これまで数えきれないほど下北沢でライブやらリハやらを行ってきた彼は、下北沢の王将にも足しげく通ってきたのだと語る。

中澤「いや〜〜〜〜下北の王将って本っ当にウマいよね!!!!! これまでの人生でどれだけ長い時間をあの店で過ごしてきたか。それを当てられたことが、マジで嬉しいよ

ってことで、今回の検証の結果 “下北沢の王将は確かにウマいが、他の王将も負けてはいない。ただし思い出のたくさん詰まった王将は、ひときわウマく感じる” ということが明らかになりました。「下北の王将へ行ったことがない」という人はぜひ一度店舗へ足をお運びのうえ、ここで多くのドラマが起きてきたことに思いを馳せてみてほしい。

こちらが “下北沢の王将の味を当てたバンドマンの顔” になります。とくとご覧くださいませ。

執筆:亀沢郁奈 Photo:RocketNews24.

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