ギズモード、万博に行ってきた。まず見たのがここ、スイスパビリオン

Photo: FDFA, Presence Switzerland

2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博。連日多くの人が詰めかけ盛り上がりを見せていますが、ギズモードも行ってきました。

魅力的な展示がたくさんある中、われわれが向かったのはスイスパビリオン。欧州原子核研究機構(CERN)など、世界的に評価の高い研究機関を数多く擁することでも知られるスイス、テクノロジーが進んだ国というイメージがありますが、その期待を裏切らない展示で迎え入れてくれました。

スイスパビリオンでは日程を3つに分けて異なるテーマで展示を行う予定ですが、現在6月10日まで行なわれる第1章のテーマは「人間拡張」。最新技術を駆使した人間生活の未来像を展示が展開中です。

食べられるロボット?

ロボットと食の融合』をテーマとして、Robofoodより展示されていたウェディングケーキ。このケーキの上には、動くロボットのクマがちょこんと乗っていました。なんとこのクマ、主にゼラチンと砂糖でできていて、食べられるのです。

この展示は、食とロボット工学を融合させることで、平時には人間の作業を助けるなどロボットとしての役割を果たしながら、緊急事態下では栄養源となってくれる「食用ロボット」というコンセプトを表現したもの。今まで考えもしなかったけど、すごくリアルな未来像ですよね。

鏡に映った自分が別の顔になる

ディープフェイクミラー』は、その名の通りディープフェイク、つまりAIによる顔の生成技術を使った鏡の展示。鏡の前に立つと、自分の顔がアインシュタインやハイジに置き換わるというもの。

このプロダクトを手がけたスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFLは、ディープフェイク技術には本物のように見える偽の情報が広まる危険もあるということを伝えたいという思いも込めているそうです。

触れた物の素材を認識できるロボット

ロボットの皮膚センサー』は、文字通り皮膚感覚センサーを搭載したロボットアーム。Inveel GmbHによるプロジェクトです。皮膚感覚センサーを持つことによってロボットは、人間と同じように物の表面を触って素材を認識できるようになるとのこと。ロボットの活用範囲がグンと広がりそうな技術ですよね。安全性も向上しそう。

折りたためるロボットアーム

モジュラー型ロボガミ』は、マネキンの胸部から伸びる伸縮型のロボットアーム。Reconfigurable Robotics Lab, EPFLが手がけました。折り紙のように折りたためるので「ロボガミ」と名付けられています。日常生活をはじめ、製造業やヘルスケアの現場、果ては宇宙探査にいたるまで、人間を支援する技術としての活用が考えられているそうです。

未来の世界はどうなっているのか?

GESDA(ジュネーブ・サイエンス・ディプロマシー財団)』の展示では、世界197か国・2,100人以上の科学者から得られたインサイトとAIによって描かれた、5年後、10年後、25年後の未来のシナリオに触れることができます。「先進的なAI」「量子コンピューティング」といったカテゴリー、「個人にとって」「集団にとって」といった対象、「芸術」「環境」といった領域、「喜び」「驚き」といった感情で絞り込んでいくことにより、予想される未来像を見せてくれます。これらの要素が渾然一体となったグラフィックも必見です。

スイスらしさを感じさせる展示の数々は、どれも興味深い内容でした。

テーマ「人間拡張」の展示は2025年6月10日まで。以降も「生命」「地球」と2カ月おきにテーマを変えて展開するスイスパビリオン。今回の展示を観覧して、大阪・関西万博の目玉の一つであることは間違いないと感じました。

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Source: スイスパビリオン公式サイト

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